さらば。「居酒屋Iさん」の店。３/３。

「年賀状を出しましょう。」

「年賀状を出し始めたらずっと出さなければならなくなる。（焼肉屋の）Sさんも、そう言っていた。」

「ポスティングしましょう。」

「（事故の影響で）体が痛いから。」

「（年賀状が来たので）返事を出しましょう。」

返事用に渡したハガキは、数日後、黄色く変色していました。裏表、何も書かれずに…。


少しずつ、常連が減って行きます。

一見の客が常連化しません。

逆に「Mちゃん」「Hさん」は常連化しました。しかし、それ以上は増えません。


いよいよダメかな…と思ったのが家賃を滞納しだしたとき。

こうなると固定費すら払えないという形になり…。

銀行から金が借りることもできず…。


閉店は、３月２０日が目途でしょうか。

３１日には明け渡しなので営業は出来ません。

荷物も「Iさん」の家に持って帰らねばなりませんからね。


一時は、私の予想に反してお客さんがあふれていた店も…。

事故による営業の中断で常連が減り…。

顧客増が図れませんでした。


友人としては残念至極であります。

さらば。「居酒屋Iさん」の店。２/３。

保険会社が態度を硬化させたことは、「Iさん」の生活にも大きな影響を及ぼします。

保険会社は、事あるごとに「Iさん」に対して嫌がらせとも思える仕打ちをしました。

担当者が電話のたびに替わる。居留守を使う。普通は必要のないはずの書類を提出するように言って来る。

最後は、「保険支給打ち切り」の手紙を出してきました。

最終的には、本社にかけあって示談までにたどり着いたのですが…。

店の方は、資金が枯渇していました。

保険金で一度は余裕が出来ましたけどね。


もう1つ…。困ったのが経理。

某タクシー会社の専務が「タダで経理をやってあげます。」と言っておきながら…。

やはり逃げてしまいます。

「弁護士に聞いたら税理士法違反だと言われた。」との手紙一本を送ってきて…。

後はナシのつぶて…。

仕方がないので、経理は、私が手伝う羽目になりました。


一方…。

常連が数人戻ってきましたが…。

戻ってきたのは、あまり質が宜しくない人間も混ざっており…。

特に、２名。

１名はツケが貯まったら行方不明。

もう１名は「土地が売れたら払うから。」とツケで飲み…。

30万円以上を踏み倒し。

「Iさん」がツケを許したのもタワケた話なんですけど。

さらば。「居酒屋Iさん」の店。１/３。

「居酒屋Iさん」の店は、2006年1月14日に開店しました。

場所の選定については、私は反対でした。

場所が目抜き通りから離れているし、家賃が高すぎますし。

居抜き物件だから投資が少なくて済むという利点はありましたけどね。

しかし本人は、やる気に逸って（はやって）即決してしまい…。

なし崩しで開店してしまったのであります。


開店してしばらくして…。

2006年10月11日に交通事故。

ゆるやかに右カーブする道が本線。直進する道は非優先道路。

バイクで「ゆるやかな右カーブ」を走っていたら…。直進しようとした自動車に後ろからぶつけられ…。

近くの整形外科に入院。


その時にしゃしゃり出てきたのが、某タクシー会社の専務。

「Iさん」の事故処理を買って出て…。

後に、相手の保険会社の態度を硬化させてしまいます。


私は「Iさん」に対して…。

「入院するのは１ヵ月までが限度ですよ。そうしないと、常連が逃げてしまいますよ。」

専務は…。

「年末まで入院されたらいかがですか。」

「Iさん」が選んだのは、専務のアドバイス。

結局は、年末近くまで入院してしまい…。


再開店するものの常連客は来ず。

「住所のわかっている常連客に『営業再開の案内状』をだしましょうよ。」

「体の節々が痛いから、急にお客さんが増えたら困る。」

「…。」


ちなみに…。前出の専務は、事故処理を途中で投げ出してしまいます。

実は、加害者の所属会社もタクシー事業をやっていて…。

顧客を融通する仲なんだそうで…。

つまり、保険会社を硬化させただけ、「Iさん」の損だったんですよ。