今朝8時より、ILO活動推進議員連盟(以下、ILO議連)の今年第2回目となる全体総会を院内で開催しました。
他の会議と重なっていたためか、議員本人の参加は10名ほどに止まりましたが、今日も政労使の理事組織から多くの方々が参加してくれて、賑やかな会合となりました。
主な議題は、報告事項が(1) 2012年上半期活動報告(2012年1月~6月);(2)第101回ILO総会報告(5月30日~6月14日:ジュネーブ);(3)ILO関係者の訪日についての3点で、協議事項が(1)新役員体制について;(2)2012年下半期活動計画についての2点でした。
中でもメインは、先月ジュネーブで開催された第101回ILO総会の報告です。実際に参加した政労使理事の皆さんから、主な決定事項とそれに対する見解、さらには舞台裏の状況などについてお話をいただき、最後に全体で意見交換を行いました。
今年の総会のハイライトはいくつかあるのですが、特にお伝えしておかなければならない点を三つだけ。
まず、すでにお伝えしていましたが、次期事務局長選挙でガイ・ライダー氏が当選を果たし、10月1日から就任することが決定しました。労働組合出身者としては初のILO事務局長です。桜田・労働側理事からは強い期待感が示されましたが、同時に「公平・公正な組織運営を心がけなければならない」という言葉も。その通りですね。
続いて、条約勧告適用委員会での混乱について。毎年、総会の条約勧告適用委員会では、ILO条約の適用に特に問題がある個別の国々について「個別審査」を行います。これは条約の適用を確保するメカニズムの中でも大変重要なもので、各国はこの個別審査を対象になるのを嫌がってさまざまな努力をするものなのです。ところが今年は、使用者側が、法律・行政の専門家によって構成される「条約勧告適用専門家委員会」の報告に対して異議を申し立て、その扱いについて労使交渉が紛糾してしまったために、はじめて個別審査が行われなかったという事態になってしまったのです。
これは由々しき事態・・・。かつてILOにいた私としても信じられないことです。
結局この問題については、政労使の三者間で非公式な話し合いを行い、11月に開催される理事会で議論することになっているようですが、ILOが持つ基準適用メカニズムを形骸化してしまうようなことにならないよう、真摯な努力を政労使で行って欲しいものです。
最後に、ミャンマー(ビルマ)の件。今年の総会では、アウン・サン・スー・チーさんが特別に招待を受けて演説を行いました。素晴らしい演説でした。で、そのミャンマー(ビルマ)に対する制裁措置について、現在の民主化の進展や強制労働問題に対する取り組みを一定程度評価し、1999年の総会決議(技術協力制限やILO諸会議への参加制限)については撤廃、2000年の総会決議(ミャンマーとの関係見直し)については1年間停止を決定したとのことです。
この決定についても、労使間にはかなりの温度差があるように思われましたが、いずれにせよ、今後も引き続き、強制労働撲滅や結社の自由確保の取り組みについてはILOとしてモニタリングを続けて行くとのこと。国際社会が連携して、健全な労使関係の構築に向けて応援をしていく必要があることは言うまでもありませんね。
以上、簡単ですが、ILO総会の報告でした。
ILO議連、2012年下半期もしっかりと活動してきます!