7月13日(金曜日)、参議院本会議終了後に、宮城県の気仙沼に行ってきました。
主たる目的は二つ。一つは、民主党の「仮設住宅等生活支援対策チーム」の一員として、気仙沼における仮設住宅の現状と課題について視察を行い、今後の支援のあり方をチームとして検討するため。もう一つは、現地で開催されたKDDI労働組合の第15回定期全国大会に参加するためでした。
気仙沼到着後、まずは市役所にお邪魔して、副市長さんをはじめとする市当局の皆さんや、仮設住宅の支援を行っている気仙沼市社会福祉協議会、そして気仙沼地区サポートセンターの方々らと会合に参加。こちらは、岡崎トミ子参議院議員(仮設チーム代表)、江崎たかし参議院議員(仮設チーム事務局長)と私(仮設チーム事務局次長)の三人です。
ここでの主な議題は、気仙沼市の仮設住宅における生活環境の実情と、みなし仮設にお住まいの方々を含む被災者の皆さんへの支援の状況。特に、市内に4カ所設置されているサポートセンターの状況について、時間をかけて意見交換を行いました。
会合終了後、私はKDDI労組の皆さんが集う会場へ。
大会には間に合わず、大会レセプションへの参加になりましたが、冒頭、ご挨拶の機会をいただいて、全国各地からお集まりの代議員の皆さんにひと言、連帯のメッセージを述べさせていただきました。
KDDI労組の皆さんは、翌土曜日、大会参加者全員でボランティア活動に従事するとのこと。昨年から引き続いて、被災地の復旧・復興支援に組織全体で取り組む姿勢に心から敬意を表したいと思います。
さて、日付が変わって7月14日(土曜日)、朝から2カ所の仮設住宅に視察に行きました。一つは、階上地区にある中規模の仮設住宅。もう一つは、少し北西側の山側に入り込んだ気仙沼では一番大きい規模の仮設住宅。いずれも、集まってくれた住民の皆さん数十名と意見交換を行いました。
皆さんからは実にさまざまな意見を出していただきましたが、仮設住宅での生活そのものへの意見よりは、今後の生活再建についての意見が多かった、というのが率直なところです。仮設住宅の生活環境については、当初、さまざまな不備が伝えられていましたが、その後の追加措置によってかなり改善してきているようです。
むしろ、震災から1年4ヶ月がたち、仮設での生活も1年を数える時期になって、皆さんの最大の関心は「仮設での生活がいつ終わりを迎え、生活再建の次の段階に進めるのか」ということ。この点で、まちの復興計画の遅れや、支援施策の不備、防潮堤に関する問題点など、さまざまなご指摘がありました。
今後の取り組みに活かしていかなくては!
ちなみに、最初に訪問した仮設住宅のすぐ脇に、土地を借りて作ったという農園が広がっていました。収穫した野菜は、仮設に住む皆さんで分け合っているとか。いいですね!
また、二つ目の仮設を訪問した後で、毎週土曜日の朝に開催されているという軽トラ市に。もう終わり間際であまりモノがありませんでしたが、美味しそうな鉢植えのトマトを買って帰りました!
気仙沼での活動を終えてから、一路、仙台へ。
仙台では、最初に、宮城県下の仮設住宅への各種支援を提供している「宮城県サポートセンター支援事務所」にお邪魔し、サポートセンターの現状や課題について意見交換。続いて、仙台市内のいくつかの仮設住宅に住む被災者の皆さんに支援を提供している「パーソナルサポートセンター(PSC)」にお邪魔して、仮設に住む被災者の皆さんの生活実態や支援の状況についてお話を伺いました。
PSCでは、その隣に「わっくわあく」という就労支援サービスも提供していて、こちらでのお話が非常に参考になりました。被災者の生活再建に向けて、やはり最も重要なのは雇用問題です。安定的な就労があってはじめて生活の再建が出来ていくわけで、そこが多くの被災者、とりわけ、就労条件が厳しい被災者にとっては大きなカベになっているわけです。
もちろん、国や自治体でも、ハローワーク等、就労支援には力をいれてきたところですが、やはりポイントは、日頃からの生活支援を行っている、つまり被災者の個々の状況を一番良く知っているサポートセンターなどの皆さんが、就労支援にも関わっていけるかどうかということ。直接するのが難しければ、いかに連携して総合的なサポートが出来るかどうか、ということですが、これが現実的にはなかなか難しいわけです。
そこで、わっくわあくでは、生活支援チームと、中間就労支援チーム、そして就職支援チームという三つのチームを作り、さまざま状況が違う被災者の皆さんに、それぞれにあった支援が提供出来るように支援プロセスを考えているということです。
中間就労という、一般就労の前段階(下準備)という位置づけで、職業体験をしてもらったり業務の適正を考えて貰ったりするというメニューも含めて、大変参考になる取り組みだと感じました。これは、今後の地域福祉のあり方としても大いに参考になる方式だと思います。今後も大いに連携・協力していきたいですね。
以上、大変ざっぱくな報告で申し訳ないですが、週末に訪れた宮城県気仙沼および仙台での活動の報告でした。
気仙沼に訪問したのは、昨年の3.11以降、3度目でしたが、去年の3月27日、10月、そして今回と、町の様子はその都度、大きく変わっています。まだまだ復興の道のりは長い、というのはその通りですが、それでも今回、気仙沼港に多くの船が停泊していたり、更地だったところに建物が建設されていたり、道路が復活していたりと、一歩一歩、復興の兆しを見ることが出来ました。涙が出る思いでした。
これからも、しっかりと復興に取り組んでいかなければならない ----- その思いを新たにした今回の訪問でした。