7月17日(火曜日)に、すでにこのブログでも何度か紹介をした、ミャンマー(ビルマ)の手話通訳者養成官の卵たちが国会見学に来てくれて、さまざまな交流プログラムを行いました!

このブログの読者の皆さんはご存じの通り、彼らに初めて会ったのは、今年1月に、参議院のODA調査団の一員としてミャンマー(ビルマ)を訪問した時でした。現地でJICAが行っている手話通訳養成者育成事業の現場を訪れた際に、手話通訳者の養成官になるために一生懸命にがんばっている彼らの姿を見て、強く胸を打たれたわけです(ブログ記事はこちら)。
そして、その後すぐの2月、今度は彼らが研修のために日本へやってきたので、調査団のメンバー全員で懇親会を企画して、東京で見事、再会を果たすことが出来ました(ブログ記事はこちら)。
そして今回、彼らが再び研修のために日本に滞在しているというニュースを聞いて、前回彼らが「ぜひ国会見学をしたい」と言っていたのを思い出し、帰国前にぜひ実現しようということで企画をしました。しかも、せっかくの機会に国会見学だけではもったいないということで、日本の障がい者制度に関する講義や、障がい者雇用の現場視察を盛り込んだプログラムを組ませていただいたのです。

まず、国会議事堂の中を45分かけて見学し、その後、会議室でお勉強。講義は「障害のある子どもたちの教育環境」と「障がい者雇用の現状と課題」というテーマについて。それぞれ、文部科学省と内閣府の担当官に説明をしてもらって、続けて質疑応答を行いました。
研修生達は、両方のテーマにとっても関心を持ってくれて、次々と質問が飛びだしてきました。時間が限られていたのが残念でしたが、それでも「すごく参考になった。今後の活動に生かしていきたい」と、みな満足そうでした。良かった!
そして、国会でのプログラムが終わり、みんなで一路、武蔵野へ。この日は、NTTの特例子会社である「NTTクラルティ」が、研修生たちの職場訪問を引き受けてくれたので、みんなでお邪魔したのです。

最初に、クラルティの会社概要について説明を受けたのち、職場の中を見学。さまざまな障害のある職員たちが安心して働けるよう、さまざまな配慮がされている所を観て、みんな「すごい!」と感心してました。
続けて行われた交流会には、クラルティ側からろう者の職員さんが二人と、通訳担当の職員さんが二人、さらにはクラルティの社長さんも参加。ミャンマー(ビルマ)の研修生(8人中、6人がろう者)と、仕事にかかわるさまざまな事柄について手話を介して意見交換を行いました。研修生からは、「なぜこの会社を選んだのか?」「入社前に特別な研修が必要だったのか?」「ろう者とその他の障がい者との職場での意思疎通はどう図るのか?」「通訳担当の職員は普通の業務も行うのか?」など、次から次へと質問が出されて、大変有意義な意見交換でした。
そして、この交流会で、一同が大変、ビックリさせられたことが!
なんと、参加してくれたクラルティの社長さんが、手話で研修生に語りかけたくれたのです。これには一同、ビックリというか、大感動。「会社の社長さんが手話を勉強して、直接ろう者とコミュニケーションを図る努力をしてくれるなんて、ミャンマー(ビルマ)では考えられない」と、本当に感激してました。いや、私も感動しました。
最後に、私から「参考までに、特例子会社という制度は、恒久的なものとして位置づけるべきか、過渡的なものとして位置づけるべきか、社長のご見解を伺いたい」と質問。つまり、障がい者の雇用のあり方として、長期的には、一般企業の中で健常者と共に働ける環境を創っていくべきではないか?という問いかけです。
これに対して社長さんからは「それぞれ、メリットがあり、長期的には、障害者自身が、どういう働き方をしたいか選べるようになるのが望ましいのではないか」との考えを示していただきました。これ、私も全く同感です。今後の政策論議の参考にさせていただきます!
ということで、以上、ミャンマー(ビルマ)の手話通訳者養成官の卵たちとの交流でした。最後に、彼らから贈って貰ったミャンマーの民族衣装を着た写真をご紹介しておきます。似合ってますか?
