東京大学が授業料の値上げを検討、と表明。学生たちが反対の声を上げている。現在の授業料は文科省令で定める「基準額」年間53万5800円。それをおよそ20%、10万円ほど値上げするというもの。
大学の言い分は、施設の改修、学ぶ環境の整備などで必要なものと主張。学生側はこれ以上の値上げの負担には耐えられない、と反対を表明。教養学部自治会が学生アンケートを実施して当局に学生の声を届けるという。
もう半世紀も前のことだが、私の学生時代は月額500円?位、自治会の仕事をしていた時に、国立大学授業料月額1000円の値上げが行われ、反対運動に取り組んだが、値上げは実施された。しばらく値上げ分の未払い運動を行った経験がある。
当時、盛岡市に下宿していたが、実家から1万円の仕送りがあった。そこから下宿代5000円、授業料1000円となり、残りで一か月を過ごすことになる。昼食は廉価の学生食堂で、夜食でよく食べたラーメン、チャーハンは100,200円の世界だった。
実家からの月額1万円の仕送りも実家としては大変な負担だったと改めて思う。
貧乏間違いのない家庭であった私としては、国立大学への進学しか選択肢はなかった。「貧乏人は国立大学へ」が当時の常識。それはまた、お金がなくても大学進学は国立大学が保障するということでもあった。
それが今では公私間で競争を煽り、私立の授業料に国公立を引き上げていくことがあたかも「平等」と言わんばかり。
挙句に国立大学を独立法人化し、「独自に稼げ」と言い、国の予算を減らし続けている今の自民公明政権の文教政策の大いなる失敗。大学教育の衰退と困難を生み出している。
ここでも政治の転換が求められている。
盛岡市内からよく見える岩手山。ふるさとの山 啄木の心の山