(164)殲滅
四百字詰原稿用紙換算9枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
長尾今子(30) 170㎝。髪をひっつめた色っぽい美人。夫と死別後、一人娘の真菜(3)と共に大富豪の義父(70)と暮らす。ノリがよく、お茶目である。
香奈(30)170㎝。人妻で図抜けた美人。
半ぐれのボス(30)入れ墨まみれ
悪相の子分たち70人。
N=ナレーション
バット、ゴルフクラブ、木刀などを手にした大勢の子分達が手持無沙汰の様子であちらこちらに固まり何やら話している。
子分A「(イラつき)向こうから呼び出しときながらいつまで待たせやがんだ」
子分B「こっちの人数にビビって逃げたんじゃねえのか?」
群れた大勢の子分達を見下ろせる丘の上に香奈の車がキッと停止するのを上から俯瞰して描いた絵。
ひっ迫した様子で車から降りる。
崖っぷちに走り寄り下を見下ろす。
群れた大勢の子分達を見下ろしてホッとし、
香奈(まだ彼は来てないのね、間に合ってよかった)
子分Cが、A、Bの後方の林の中から刀を持って出てきた修一に気づく。
香奈も修一に気が付き、
香奈(え、仲間が百人いる筈じゃ?まさか一人であの集団と戦う気?)
香奈(知り合ったばかりの私のために命をかけてくれるなんて・・・)
うっとりし、
香奈(やっと本物の男に出会えた。私は激烈な直情径行型の男が好き・・・)
ノーパンのスカートの中を下から煽って描いた絵に香奈の呟き、
(短小、包茎、早漏でもかまわない)
香奈(今までの男は下半身だけの繋がりだったけど、貴男とは心で繋がれそう・・・)
香奈(私の愛をすべて貴男に捧げるわ)
香奈、ふと上空に、不安げに下界を見降ろす今子が乗ったアパッチが浮遊してるのに気づく。
驚嘆し、
香奈(えーーっ、なぜバイクが宙に浮くのー?)
香奈(それにずっと気になってたけど、あの綺麗な人とどういう関係?)
香奈(あ、そうか、お姉さんね、どことなく端正な顔立ちが似てると思ったわ)
A、Bがこちらに歩んでくる修一に振り向いて驚き、
B 「おいおい、マジですか?」
A 「まさかあいつ一人で来た訳じゃないよな?」
修一、悪相の子分達の眼前に立ってマジマジ皆の顔を眺め、
修一「みんな、なかなかの風貌でござるな」
修一「血筋か育った環境のせいか知らんが・・・」
修一「よおもこんなけ卑しいツラした者ばっかりが集まったもんよのう」
半ぐれ全員、血相が変わる。
修一が出てきた林に目をやり、
A 「仲間はどこに隠れてんだ?お前は様子見の斥候か?」
とぼけた顔でベルトに刀を差しながら、
修一「さてのう」
拝むように左手を胸元に立て、
修一「毎日幸せですか?南無阿弥陀仏ー」
A、B、その他全員あぜん。
修一「これが今生の別れかと思うと、思わず手も合わせたくなると言うものです」
A 「(呆れ)気色悪いやつだな、坊主になる修行でも・・・」と言った瞬間、喉にシャッと光が一閃する。
修一が抜刀した刀を宙に留めてる眼前でAの喉から血が噴水のように吹き出し、それを見た仲間達が驚愕する。
B 「やろー、よくも」と修一に向かって憤怒の形相で木刀を振り上げる。
修一、木刀ごとBの喉を搔き切り、目にも止まらぬ速さでその場にいた仲間達も斬りすてる。
その様子を崖の上からあ然と見下し、
香奈(すごい、まるで戦国武将みたい・・・)
感激し、
香奈(なんのためらいもなく私のために・・・)
修一、半ぐれの群れを目にも止まらぬ速さで次々と斬り伏せ、辺りには大量の死体が転がっている。
さすがに息が切れて「はあ、はあ」喘ぐ修一に背後から最後の一人が死に物狂いにバットで襲いかかってきた。
修一、振り向きざま刀でバットをガキッと受け止める。
そのままバットに沿って刀を滑らせ、バットを握ってた両手の指を斬り落とす。
窓にスモークを貼って横向きに停めてあるワゴン車の後部席前に両膝をつき、指が吹っ飛んだ両手を見て男が「ぎえええー」と叫ぶ。
両手の指を落とした男は必死の形相でシャツを脱ぐ。
そしてシャツを手に巻いて止血する。
男の喉に切っ先を当て、
修一「そうまでして生き延びたいか?」
修一「今まで無抵抗の人を散々いたぶって殺してきたんじゃろうが?」
涙と鼻水を流して痛みに呻き、
男 「うう、た、助けてください・・・」
修一「そうやって命乞いする人間をお前は助けてやったか?」
男、虚脱した顔で修一を見上げる。
修一「どうない?やられる側になった気分は」と切っ先をグイッと押し付けると血がツーと流れる。
男 「ま、まってくれ、俺は組織の金庫番なんだ」
修一「それがなんじゃあゆうんな?」
男 「今まで貯めこんだ全財産を差し出すから命だけは助けてくれないか」と言った時、背後のワゴン車の後席ドアが音もなく横にすーっと開く。
車内にいたボスが刀を鞘から抜きながら片方の足を地に着ける。
「たのむ、バーの権利書も渡すし、詐欺のノウハウも全部教えるから助けてください」
と手を合わせて懇願する男の背後に立ったボスが冷ややかな目で男を見下し、抜き身を横に振り構える。
そしてドシュッと男の首を斬り落とす。
冷ややかな目でボスを睨み、
修一「なかなかシュールな光景よのう」
ボス(無表情)が突然、修一の首を斬らんと刀を一閃する。
修一、首を後ろに反らせ紙一重で切っ先を避ける。
腰をくっと落として居合の構えをし、
修一「踏み込みが甘いわ」
修一「しょせん、おどれとは踏んできた場数がちがうのよ」
ボス、無表情で上段に構えている。
ボス「うりゃあーー」と振り下ろすよりも一瞬早く懐に飛び込んだ修一がボスの腹から肩にかけて斬り上げる。
ボス、信じられないという目で修一を見上げながら、がくっと両膝を落とす。
修一「むん」と気合と共にボスの首を斬り飛ばす。
刀の刃をまじまじ見て、
修一「さすが兼定、あんなけ斬っても刃こぼれひとつしちょらんわ」と悦にいってるところにアパッチに乗った今子が下降してきて「修ちゃんっ!」と叫ぶ。
まだ着地してないアパッチの後席にバッと飛び乗り、
修一「はよ上昇せえ」
修一「血の匂いが鼻について吐きそうじゃ」と言われ頷いた今子が間髪入れず「上昇せよ」とアパッチに命じる。
上空から地上に転がってる死体の山を見下し、
修一「ミサイルで一切の痕跡を消してしまえ」
今子「まかせといて」
今子「ミサイル発射!」
車体前部に大口径のライフル弾位の超小型ミサイルの射出口が開口する。
ミサイルが「シュポッ」と発射される。
それを見て驚愕する香奈の顔のアップ。
「シュパ」と命中音と同時に閃光が走る。
地上の全てが霧散し、向こうの上空にアパッチが飛び去ってゆく。
そのアパッチをぼう然と眺める香奈の後ろ姿。
決意に満ちた顔で、
香奈(ずっとくすぶっていた私の中の女の火薬がついに爆発した・・・)
香奈(あなたに心底惚れたわ・・・)
つづく
四百字詰原稿用紙換算9枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
長尾今子(30) 170㎝。髪をひっつめた色っぽい美人。夫と死別後、一人娘の真菜(3)と共に大富豪の義父(70)と暮らす。ノリがよく、お茶目である。
香奈(30)170㎝。人妻で図抜けた美人。
半ぐれのボス(30)入れ墨まみれ
悪相の子分たち70人。
N=ナレーション
バット、ゴルフクラブ、木刀などを手にした大勢の子分達が手持無沙汰の様子であちらこちらに固まり何やら話している。
子分A「(イラつき)向こうから呼び出しときながらいつまで待たせやがんだ」
子分B「こっちの人数にビビって逃げたんじゃねえのか?」
群れた大勢の子分達を見下ろせる丘の上に香奈の車がキッと停止するのを上から俯瞰して描いた絵。
ひっ迫した様子で車から降りる。
崖っぷちに走り寄り下を見下ろす。
群れた大勢の子分達を見下ろしてホッとし、
香奈(まだ彼は来てないのね、間に合ってよかった)
子分Cが、A、Bの後方の林の中から刀を持って出てきた修一に気づく。
香奈も修一に気が付き、
香奈(え、仲間が百人いる筈じゃ?まさか一人であの集団と戦う気?)
香奈(知り合ったばかりの私のために命をかけてくれるなんて・・・)
うっとりし、
香奈(やっと本物の男に出会えた。私は激烈な直情径行型の男が好き・・・)
ノーパンのスカートの中を下から煽って描いた絵に香奈の呟き、
(短小、包茎、早漏でもかまわない)
香奈(今までの男は下半身だけの繋がりだったけど、貴男とは心で繋がれそう・・・)
香奈(私の愛をすべて貴男に捧げるわ)
香奈、ふと上空に、不安げに下界を見降ろす今子が乗ったアパッチが浮遊してるのに気づく。
驚嘆し、
香奈(えーーっ、なぜバイクが宙に浮くのー?)
香奈(それにずっと気になってたけど、あの綺麗な人とどういう関係?)
香奈(あ、そうか、お姉さんね、どことなく端正な顔立ちが似てると思ったわ)
A、Bがこちらに歩んでくる修一に振り向いて驚き、
B 「おいおい、マジですか?」
A 「まさかあいつ一人で来た訳じゃないよな?」
修一、悪相の子分達の眼前に立ってマジマジ皆の顔を眺め、
修一「みんな、なかなかの風貌でござるな」
修一「血筋か育った環境のせいか知らんが・・・」
修一「よおもこんなけ卑しいツラした者ばっかりが集まったもんよのう」
半ぐれ全員、血相が変わる。
修一が出てきた林に目をやり、
A 「仲間はどこに隠れてんだ?お前は様子見の斥候か?」
とぼけた顔でベルトに刀を差しながら、
修一「さてのう」
拝むように左手を胸元に立て、
修一「毎日幸せですか?南無阿弥陀仏ー」
A、B、その他全員あぜん。
修一「これが今生の別れかと思うと、思わず手も合わせたくなると言うものです」
A 「(呆れ)気色悪いやつだな、坊主になる修行でも・・・」と言った瞬間、喉にシャッと光が一閃する。
修一が抜刀した刀を宙に留めてる眼前でAの喉から血が噴水のように吹き出し、それを見た仲間達が驚愕する。
B 「やろー、よくも」と修一に向かって憤怒の形相で木刀を振り上げる。
修一、木刀ごとBの喉を搔き切り、目にも止まらぬ速さでその場にいた仲間達も斬りすてる。
その様子を崖の上からあ然と見下し、
香奈(すごい、まるで戦国武将みたい・・・)
感激し、
香奈(なんのためらいもなく私のために・・・)
修一、半ぐれの群れを目にも止まらぬ速さで次々と斬り伏せ、辺りには大量の死体が転がっている。
さすがに息が切れて「はあ、はあ」喘ぐ修一に背後から最後の一人が死に物狂いにバットで襲いかかってきた。
修一、振り向きざま刀でバットをガキッと受け止める。
そのままバットに沿って刀を滑らせ、バットを握ってた両手の指を斬り落とす。
窓にスモークを貼って横向きに停めてあるワゴン車の後部席前に両膝をつき、指が吹っ飛んだ両手を見て男が「ぎえええー」と叫ぶ。
両手の指を落とした男は必死の形相でシャツを脱ぐ。
そしてシャツを手に巻いて止血する。
男の喉に切っ先を当て、
修一「そうまでして生き延びたいか?」
修一「今まで無抵抗の人を散々いたぶって殺してきたんじゃろうが?」
涙と鼻水を流して痛みに呻き、
男 「うう、た、助けてください・・・」
修一「そうやって命乞いする人間をお前は助けてやったか?」
男、虚脱した顔で修一を見上げる。
修一「どうない?やられる側になった気分は」と切っ先をグイッと押し付けると血がツーと流れる。
男 「ま、まってくれ、俺は組織の金庫番なんだ」
修一「それがなんじゃあゆうんな?」
男 「今まで貯めこんだ全財産を差し出すから命だけは助けてくれないか」と言った時、背後のワゴン車の後席ドアが音もなく横にすーっと開く。
車内にいたボスが刀を鞘から抜きながら片方の足を地に着ける。
「たのむ、バーの権利書も渡すし、詐欺のノウハウも全部教えるから助けてください」
と手を合わせて懇願する男の背後に立ったボスが冷ややかな目で男を見下し、抜き身を横に振り構える。
そしてドシュッと男の首を斬り落とす。
冷ややかな目でボスを睨み、
修一「なかなかシュールな光景よのう」
ボス(無表情)が突然、修一の首を斬らんと刀を一閃する。
修一、首を後ろに反らせ紙一重で切っ先を避ける。
腰をくっと落として居合の構えをし、
修一「踏み込みが甘いわ」
修一「しょせん、おどれとは踏んできた場数がちがうのよ」
ボス、無表情で上段に構えている。
ボス「うりゃあーー」と振り下ろすよりも一瞬早く懐に飛び込んだ修一がボスの腹から肩にかけて斬り上げる。
ボス、信じられないという目で修一を見上げながら、がくっと両膝を落とす。
修一「むん」と気合と共にボスの首を斬り飛ばす。
刀の刃をまじまじ見て、
修一「さすが兼定、あんなけ斬っても刃こぼれひとつしちょらんわ」と悦にいってるところにアパッチに乗った今子が下降してきて「修ちゃんっ!」と叫ぶ。
まだ着地してないアパッチの後席にバッと飛び乗り、
修一「はよ上昇せえ」
修一「血の匂いが鼻について吐きそうじゃ」と言われ頷いた今子が間髪入れず「上昇せよ」とアパッチに命じる。
上空から地上に転がってる死体の山を見下し、
修一「ミサイルで一切の痕跡を消してしまえ」
今子「まかせといて」
今子「ミサイル発射!」
車体前部に大口径のライフル弾位の超小型ミサイルの射出口が開口する。
ミサイルが「シュポッ」と発射される。
それを見て驚愕する香奈の顔のアップ。
「シュパ」と命中音と同時に閃光が走る。
地上の全てが霧散し、向こうの上空にアパッチが飛び去ってゆく。
そのアパッチをぼう然と眺める香奈の後ろ姿。
決意に満ちた顔で、
香奈(ずっとくすぶっていた私の中の女の火薬がついに爆発した・・・)
香奈(あなたに心底惚れたわ・・・)
つづく