【首都圏＆近畿】2023年最新版・日本の「人口の重心」はどこ？東京以外の方向へ移動した首都圏の県も 202405

【首都圏＆近畿】2023年最新版・日本の「人口の重心」はどこ？東京以外の方向へ移動した首都圏の県も
　LIMO より　240502  花輪 えみ

近畿圏の各府県は「大阪府」方面へ移動…2025年はどうなるか
　2023年1月17日、総務省は2020年に実施した国勢調査をもとに、日本の人口重心に関する結果を発表しました。

「人口重心」とは人口一人ひとりを同じ重さであると仮定し、特定のエリア内でバランスが取れる地点のこと。人の移動や人口の増減などが反映されており、他の調査年の結果と比較することで地域構造の変化を示せるのが特徴です。

　国勢調査は5年ごとに実施されており、1965年の結果と比較すると人口重心は少しずつ首都圏へ移動しています。しかし、なかには独自の方向性にすすむ自治体もチラホラ。

　本記事では人口重心をさらに詳しく確認し、近畿圏の人口重心はどこにあるのかを紹介します。記事後半では首都圏についてまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

【写真でみる】首都圏・近畿地方の「人口重心」はどこ？一覧表で位置・移動距離をチェック
※編集部注：外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

⚫︎近畿圏：人口重心は「大阪府」の方向へ向かって移動
　国勢調査における「近畿圏」とは、大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県の6府県のこと。近畿圏では、全体的に大阪府に向かって人口重心が移動しているとわかりました。

　大阪府を除く各府県の人口重心から大阪府の人口重心への方向・距離、各府県の2020年の人口重心の位置は以下の表の通りです。

【写真全2枚中1枚目】近畿圏：人口重心の位置・方向・距離。2枚目では首都圏版も紹介。

出所：総務省統計局「首都圏及び近畿圏の各府県の人口重心は、おおむね東京都、大阪府の方向へ移動」を参考に筆者作成

　各府県の人口重心から大阪府の人口重心までの距離を比べてみると、2015年から2020年の間で大阪府に向かって近づいているのが分かります。

　大阪府は会社・商業施設・学校などが集まる近畿圏の中心地であることが、近畿圏の人口重心が大阪府へ向かって移動した理由のひとつと言えるでしょう。

　それでは、首都圏の人口重心はどのように移動しているのでしょうか。次の章から詳しく見ていきましょう。

⚫︎首都圏：人口重心はおおむね「東京都」の方向へ…それぞれの位置は？
　国勢調査では、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の8都県を「首都圏」としています。首都圏では、山梨県を除いておおむね東京都の方向へ移動しているとわかりました。

　東京都を除く各県の人口重心から東京都の人口重心への方向・距離や、各県の2020年の人口重心の位置を下記の表にまとめてみました。

【写真全2枚中2枚目】首都圏：人口重心の位置・方向・距離。前出
出所：総務省統計局「首都圏及び近畿圏の各府県の人口重心は、おおむね東京都、大阪府の方向へ移動」を参考に筆者作成

　県の人口重心から東京都の人口重心の距離の推移を見てみると、確かに山梨県を除く6県の人口重心の位置は東京都に近づいているのが分かります。

　東京都は日本の首都で、企業・学校・中央省庁などが集中しており、人が集まりやすい状態であるのが、首都圏の人口重心が東京に向かって移動した理由のひとつと考えられます。

⚫︎日本の人口重心は首都圏に向かって移動中：2025年の結果はどうなる？
　最新の国勢調査の結果では、日本全体の人口重心は首都圏へ、首都圏の人口重心はおおむね東京都へ、近畿圏の人口重心は大阪府へ向かって移動していることが分かりました。

　国勢調査は、5年に1回のペースで実施されます。その間で起きたコロナ禍の影響でテレワークが進んだり、地方移住に関心を持つ人が増えたりしましたが、人口重心にも変化があるのでしょうか。

　次回の国勢調査は、2025年に実施される予定。都市部への人口重心の移動が加速しているのか、それとも2020年の調査とあまり変わらないのか、今から結果が気になりますね。

参考資料
総務省統計局「我が国の人口重心　－令和2年国勢調査結果から－」

総務省統計局「首都圏及び近畿圏の各府県の人口重心は、おおむね東京都、大阪府の方向へ移動」