国宝・十一面観音像 奈良博で24年ぶり展示
産経新聞ニュースより 220204
露出展示される聖林寺の国宝・十一面観音菩薩立像=奈良市の奈良国立博物館
天平彫刻の傑作として名高い聖林寺(しょうりんじ)(奈良県桜井市)の国宝・十一面観音菩薩立像などを展示する特別展「国宝聖林寺十一面観音三輪山信仰のみほとけ」が、5日から奈良国立博物館で開催される。同像が同館で展示されるのは24年ぶり。もとは大神(おおみわ)神社(桜井市)に付属した大御輪(だいごりん)寺に祭られ今回、同寺にあった他の像も同時に並ぶ。3月27日まで。
大御輪寺に安置されていた十一面観音像は明治政府による神仏分離の政策により聖林寺へ。米国の東洋美術史家、アーネスト・フェノロサや哲学者、和辻哲郎らがその美しさに魅了され、世に知られることになった。
同像は高さ約2メートルで、木心乾漆(もくしんかんしつ)造りという技法で造られた流麗な姿。通常は聖林寺の収蔵庫(改修中)で祭られている。
今回の特別展では360度露出展示され、さまざまな角度から見ることができる。像の背後を飾っていた光背の一部も並び、当初の華やかな姿をうかがうことができる。
また、元々大御輪寺に安置されていた正暦寺(奈良市)の日光・月光両菩薩立像(平安時代)と法隆寺(斑鳩町)の国宝の地蔵菩薩立像(平安時代)も並び、十一面観音像と約150年ぶりの「再会」となった。
今月7日と21日、28日、3月22日は休館。
観覧料は一般1400円など。
問い合わせはハローダイヤル(050・5542・8600)。