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🧠赤外線だって"見える"ようになる? 「脳の改造」計画とは 脳とAIをつないで「人間の能力を拡張する」方法

2021-11-29 19:38:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

赤外線だって"見える"ようになる? 東大教授が本気で進める「脳の改造」計画とは 脳とAIをつないで「人間の能力を拡張する」方法
   現代ビジネスonlain  より 211129 池谷 裕二


ーー 脳にとって「真実」はなかった? 「心」をめぐる常識が崩れるとき

 脳と人工知能をつないで、人間が持つ能力を拡張できないか——そんな研究が世界中で進んでいるのをご存知でしょうか。
 すでに「念じるだけでロボットを操る」「考えていることをAIが翻訳してくれる」など、次々と驚くべき研究成果が報告されているのです。

 発売前から話題となっている『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか』(紺野大地・池谷裕二:著/12月16日発売)では、そうした最新研究を紹介しながら、人工知能を使って人間の潜在能力をどう活かしていくべきかを考えます。

ーー「生物学的な心地良さ」とはなにか…?「進化論」で考えてみた“1つの答え”

 この度、本書の刊行に先駆けて、東京大学教授の池谷裕二さんによる本書の前書きを、先行公開します!

⚫︎人間は、自ら発明した道具で進化していく
 私たちは今,人間という存在,その意味や価値が変わりつつある激動の時代を生きています。
 その理由の1つは、人工知能(AI)の台頭ですが、それだけではありません。
本書『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか』で主眼となる「脳の改造」がポイントです。

 これまでも人類は、言葉や文字や電気やインターネットなど、様々な道具を開発してきました。こうした道具は、単に生活が便利になるだけでなく、人間の生活様式を、実質的に変えてきました。つまり、役に立つ道具は、人間の「在り方」を変える力を持っています。

⚫︎役に立つ道具は、人間の「在り方」を変える力を持っている
 ここで留意したいポイントは、その道具は「人間が発明したもの」という点です。 
つまり、人間は道具を開発し、自身を開拓してゆく生き物です。他の生物たちは、あくまでもDNA変異によって、自然の力で進化します。
 人間は、自然界の進化ルールではなく、人間が編み出した道具という独自の方法で、自身の能力を進化させる能力を備えています。

⚫︎身体そのものを変える可能性
 そうした長い人間開拓史のなかでも、特に劇的な変化が、いま起こりつつあります。 なぜなら、最近の新しい道具は、人間の生活だけでなく、人間の身体そのものを変える可能性があるからです。

 従来の道具は、自動車にしても、飛行機にしても、ヒトの身体運動を超える能力を発揮することはありましたが、それはあくまでも道具が優れているだけの話で、ヒトの身体そのものは変化がありませんでした。

 これは人工知能についても同じです。人工知能が秀でた性能を示しても、人間の能力そのものの限界が突破されたわけではありません。

 つまりヒトは、どれほど賢明であっても、どれほど俊敏であっても、結局は、自身の身体という限界に制約された範囲の中で活動してきたに過ぎません。もちろん、心臓ペースメーカーや薬剤など、ごく一部には、身体を改造したり、改良したりする道具がなかったわけではありません。

ーーこれまで人間は「身体」という物理的制限から完全に解放されることはなかったが……
 しかし,「身体」という強烈な物理的制限から完全に解放されることはありませんでした。

⚫︎人間が、超音波を聞ける耳、赤外線が見える目を持っていたら
 この「身体による拘束」という大原則が、いま、破られようとしています。バイオハッキングやトランスヒューマンといった身体改造技術の萌芽です。
 この研究分野では、新しいテクノロジーを用いて、生物学的な束縛からヒトを解き放とうとしています。

 不老不死であったり、自分のコピーの作成であったり、身体の乗り捨てであったりと、様々な話題が議論されています。科学の力によって身体的規制が緩んだとき、人間の在り方が根源から転覆することは間違いありません。
 これこそが冒頭に「人間の意味や価値が変わる」と書いたことの意味です。

 こうした研究領域は、まだ緒についたばかりですが、少なくとも世界の研究者たちが、新たなベクトルへと舵を切っていることは確かです。そして、著者である私たち2人も、そうした先駆的な分野の一端を担っている研究者です。

 現在、私たちの研究室では「ERATO 池谷脳AI融合プロジェクト」と「Beyond AI 連携事業」という2つの壮大なプロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトでは、人工知能を用いて脳の新たな能力を開拓することを試みています。脳にどれほどの潜在能力が眠っているかを調べているのです。

 私たちの研究室のメンバーは「脳には計り知れない可能性がある」と信じています。逆に言えば、脳の真のポテンシャルが、残念ながら今は、身体という制約で閉塞されていると考えているのです。

 ヒトの体には、ツバメのような翼がありません。チーターのように駆ける脚もありません。タコのように吸盤のついた腕もありません。コウモリのように超音波を聞く耳も持っていません。ノミのように赤外線を感知することもできません。オタマジャクシのように水中で呼吸できるエラも持っていません。

 もし、ヒトがこうした優れた身体を持っていたらどうでしょう。おそらくヒトの大きな脳は、そうした高機能な身体を難なく使いこなせるはずです。

ーーヒトの脳は超音波を聞き分ける能力も持っているのでは? 
⚫︎眠っていた「脳の能力」を開拓する
 実際、ヒトは言葉や文字やインターネットといった高度な能力拡張ツールを開発してきました。もちろん脳は、これらの道具を開発したり、使ったりすることを目的に、進化してきたわけではありません。これらの道具は、あくまでも脳の副産物です。

 しかし脳は、新しい道具をすみやかに自らに取り込み、上手に活用しています。脳の新しい使い方が開拓されたのです。これらの道具がなかった古い時代では、そうした脳の能力は眠ったままでした。

 たまたま、そうした道具に出会う機会に恵まれたから、脳は存分にその性能を発揮できたまでのことです。これは本質的には幸運なことです。未来についても同じことが言えます。
 もしかしたら、今後、まだ見ぬ新しい道具が開発されれば、今はまだ眠っている、未開の能力が引き出されることでしょう。

 でも、いつかそんな日が来る将来を、のんびりとは待っていられないのが、科学者の性分です。ならば人工知能を用いて脳を開拓すればよい——。これこそが「池谷脳AI融合プロジェクト」の礎(いしずえ)です。私たちは次のようなスローガンを掲げています。

 脳にAIを埋め込んだら何ができる
 AIに脳を埋め込んだら何がおこる
 脳をネット接続したら世界はどう見える
 たくさんの脳を繋げたら心はどう変わる
 せっかく脳を持って生まれてきたのだから
 脳を目一杯使い込みたい
 未知なる「知」に戯れる童心と憧心
ーー新しい道具を開発すれば、脳の未知の能力を引き出せるかもしれない

 本書の著者2人は、このプロジェクトのメンバーです。池谷裕二はリーダーとしてプロジェクトを統率し、紺野大地は医師の視点から基礎研究を推進しています。

 もちろん私たちは、やみくもに研究を暴走させているわけではありません。綿密な計画を立て、緻密な実験によって、慎重に研究を進めています。当然、生命の尊厳と社会の倫理には、最大限の注意を払っています。

⚫︎「脳そのもの」に手を加えるとはどういうことか
 脳の使い方が変わることは、過去の歴史のなかで何度もありました。しかし、今回の研究では、脳そのものに手を加えるという人為的な工程が加わります。

 私たちが今やろうとしている研究は、生物学的にどのような意味があるのか、社会的にはどのような懸念点があるのか、臨床的にはどのようなメリットがあるのか。
 こうしたことを誰よりも真摯に考えてきたという自負があります。だからこそ、脳AI融合の研究分野について、本にまとめようと思ったのです。

 池谷脳AI融合プロジェクトの研究そのものは、まだ道半ばですが、すでにワクワクするような革新が起こりつつあります。
 本書では、私たちの研究にも一部触れながら、今世界で進められている脳と人工知能の融合研究について、できるだけ中立な立場から、最先端の様子を幅広く紹介します。

 その先にどんな未来が待っているのか、人間がどのように変わりうるのか、そんな疑問を、本書で読者のみなさんと一緒に考えてゆきたいと思います。

脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか

——脳AI融合の最前線
12月16日発売 
【松尾豊氏、絶賛!】

「脳とAIが融合する未来。怖いと感じるでしょうか、わくわくするでしょうか。 脳に知識をダウンロードできたら? 互いの脳をインターネットでつなぐことができたら?――そんな未来が可能になりつつあることを、本書は垣間見せてくれます。

 グローバルな科学技術の進展と、それが産業化するときのスピード。それに対し、自分たちがどう考え、どう備えないといけないのか。そんなことをこの本は問いかけてくれます。

 著者の人間と技術への愛と好奇心、そして洞察に満ちた、読後になぜか心が温かくなるような良書です。科学技術、そして我々の社会の未来を考える人、必読です。」


⚫︎松尾豊(人工知能研究者、東京大学大学院教授)

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