閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

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裏切られた自由 上・下

2019年11月18日 | 書評 歴史

裏切られた自由 上・下/ハーバート・フーバー著/ジョージ・H・ナッシュ編/渡辺惣樹訳/草思社/2017

共和党出身のアメリカ大統領だった、ハーバート・フーバーが第二次大戦前後の時期に、ルーズベルト政権、トルーマン政権のとった行動に違和感を持ち、自身の調査結果を編集者が編纂して出版化されたもの。
日本では、原著が出版化されて数十年経過し、渡辺惣樹というアメリカ史に詳しい翻訳家が翻訳にこぎつけた。

現代史的視点に立つと、アメリカ史、第二次世界大戦の研究者は必携・必読レベルの名著。この本以上の歴史書はいまだない。断言していい。それほどまでに重要な本である。
著者は各国を視察、情報収集して書いている。歴史家ではないが歴史家としての視点を持って、特にルーズベルト政権の日米開戦に至る不可解な対応、連合国間の首脳会議における秘密決定事項、中国における共産化に係わる不可解な対応等について、強い疑念を持ち、後世の研究者のために調べる手がかりを残した。
アメリカ政府の情報公開が進めば、歴史的事実の一部が判明するに違いないところではあるが、当時のアメリカ大統領自ら謀略に係わっていたことを、進んでアメリカ政府が情報公開するはずはない。
同時に、アメリカの歴史学会は、ユダヤ人学者が支配し、真実の歴史研究者を歴史修正主義者であるとしてレッテル貼し疎んじる実態がある。また、渡辺惣樹は、日本国内のアメリカ史の歴史学者たちから研究者として阻害され、相手にされていないとする情報がある。日本国内のアメリカ史の歴史学者たちもアメリカ国内の主流派の歴史学者の言いなりになっているようだ。
ただ、この本、上下巻それぞれ1万円と高額であるにしては、結構な売れ行きであるようだ。高額でも買うとしたら、公立図書館、大学などの研究機関の図書館と思われる。
それにしても、日本国内の歴史学者たちが無視し続けている在野の研究者の歴史翻訳書が、高値で飛ぶように売れる現象、日本国内のアメリカ史の歴史学者たちがこぞって無視した在野の研究者が監修した本を、大学等の図書館で先を争うように購入しているとしたら、歴史学会関係者の存在自体、滑稽としか言いようがない。


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