ここ20年間を見ましても、意味不明な通り魔的な、大量死傷者を出す大事件を起こす若者が増えています。
それらに共通する感情は、
・ 自分こそ被害者だ。自分は悪く無い。
・ 他人が憎い。社会が悪いからだ。
・ だから、何をしても良い。
という一方的な、幼い理由を感じます。
まったく甘えた根性とは、妄想で自分を被害者に思い込み、他人にはキバを剥くという「震えた小動物」のような極端な反応と行動をするものです。
ゲームというバーチャル世界(仮想の世界)にばかり浸り、学校にも行かず、勉強もせず、働きもせず、親や社会の補助で暮らしていますと、「その引け目感が」自身を被害者に転換させると想像します。
このような若者が、まだ犯罪を犯さないまでも、潜在的に増えていると思います。
その前兆として、
・ 楽に生きるための抜け道しか、考えられない思考。
・ ゲームやバクチのことばかりが思考の中心。そこから動かない。
・ 話し合っても、わざと論点も視線も合わせようとはせずに、逃げる、誤魔化す。
釈尊が居た僧院で、修行に励む若い修行僧の中にも、これに近い「ソーナ」という若者が居ました。
仏典によりますと、ソーナは、
・ 過去生において、釈尊が誕生する以前の古代、別の仏陀が存在していた時代に。
・ 商売をしていたソーナは、その仏陀のための僧院を建造していた。
・ その善徳の因果により、今生は大富豪の息子として生まれる。
・ 過去生での仏陀との縁により、今生では何不自由が無い身分なのに、修行僧として釈尊の元に出家した。
このソーナは、仏道にいくら自分なりに精進をしても、心の進展は起こらなかったのです。
周囲の者には、仏道を辞めたい愚痴か、遊びたい話ばかりでした。
先輩が説教をしましても、途中から遊ぶ話を始めたりと、話をすり替えて逃げるばかりでした。
いよいよソーナが辞めたいと言い出した時に、釈尊の耳に入ってソーナが呼ばれました。
釈尊 :「ソーナよ、家に居た時に何をして遊ぶのが好きだったの?」
ソーナ:「琴を弾くのが好きでした」
釈尊 :「そうか。琴の弦は、強く締めれば良い音が出たか?」
ソーナ:「いいえ。切れやすくなり、良い音も出ません」
釈尊 :「では、弦を緩めれば、どうだった?」
ソーナ:「音も出ません」
釈尊 :「人生も修行も、琴の弦の張りと同じなんだよ」
と釈尊はソーナに話して、接見は終わりました。
これを聞いたソーナは、自分の「極端に振れやすい」という思考と甘えに気付き、仏道を続けることに成ったという御話でした。
自分の人生は何をしてもダメだ、自分は社会の被害者だと思い込んで、
・ 他人に何をしても良い。
・ すべて無くなれば良い。
という極端な心境に行く若者が減って欲しいものです。
そういう時は、
・ 心を緩めて。
・ 自分なりで良い。
・ ほどほどで、ちょうど良い。
・ と思い直して、思考の「中間」「中道」というものを探して欲しいのです。
とにかく極端な行動や思考は、損しかしない、悪い結果に行きやすい、ことを覚えて置きたいものです。
これからの、シンガポールでの会談の行方も、極端に行かないように静観したいものです。
公共機関で移動する時も、油断が出来ない時節だと思いましょう。
(カレンダーの印の意味は「6月の自然観察日」参照)
* 6・11,奇数・素数日・中潮日を静観。
生かして頂いて 有り難う御座います
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