先週の暴風雪がなかったかのように雪がか
なり融けってしまった。
JRの運休で札幌から帰れなくなった時、文
庫本を買って読んだ。
乃南アサ著「未練」
女刑事 音道貴子が主人公だ。
表題の「未練」をはじめ、6つの短編が並
んでいる。
読んでみておもしろいが、解決できない深
刻な問題や悲惨な人間関係、そして主人公
のやりきれない思いが伝わってくる。
音道貴子像は、刑事としてスーパーマンで
もないし、弱さやPTSDで仕事を離れたりと
等身大の女性を描いている。
さらに乃南アサ流の心の動きのえがき方が
すごい。
「聖夜まで」に登場する模範的な、尊敬す
る女性警官が登場するが・・・
ネタバレするのであまり書けないが、まさ
に現代の「虐待」の原因のひとつを描いて
いるのではと思う。
最後に近い「よいお年を」は、親子のほん
のりとした関係で、読んでいてほっとする。