海外への「医療ツーリズム」で、2人の日本人が亡くなったというニュースが流れた。
報道によると肝臓と腎臓の移植をトルコの業者により、ブルガリアで手術を受けて亡くなった。悲しいできごとだ。
移植技術の発展で、各国ともドナー不足となり、さまざまな問題が生まれた。とりわけ臓器売買の問題である。
そこで2008年に各国が集まり、「イスタンブール宣言」が出された。
「臓器取引と移植ツーリズムに関するイスタンブール宣言」
そのなかの3と4は、
3.、人の臓器の取引や臓器摘出のための人身取引は禁止され、犯罪とされるべきである。
4.、臓器提供は金銭的に中立な行為であるべきである。
要は「移植ツーリズム」は禁止すべきであり、犯罪とされるべきだ。
各国政府は、その対策をたてることになっているが、今回の死亡事故をみて、まだまだということだ。
腎臓は透析治療があるが、心臓や肝臓の病気で移植以外に命が助からないという病状の方は大変だ。
そして「移植」は倫理の問題とともに、国民の意識や文化とも密接にかかわっている。時間がかかる。
だからこそ地道な「啓発運動」が大切だ。
私は2013年8月にドナーとなった。
夫婦間の生体腎移植である。北大病院、釧路市立病院には大変お世話になった。
その時の記録は拙文ですが参考に、こちら⇒
あれから8年。夫婦ともなんとか生活の質(quality life)を維持している。
日本では、圧倒的にドナー不足。今後もさまざまな取り組みが求められている。悲しい事件にならないように。