驚くべき「事件」であった。
言論の府である議会での議論。市民の公開の場での質疑
応答により、行政のあり方・問題点を明らかにし改善を
はかっていく。議会制民主主義の「イロハ」である。
地方においても安倍政治、アベノミクスは色濃く反映し
ている。「秘密法」、「戦争法」、「地方創世」など、
地域住民を巻き込む重大な問題である。地方議会ならで
はの議論が期待されている。
安倍政治の賛否も当然のごとく議論される。
そこで、なんと、「アベ政治はゆるさない」という文言
が、「議会広報」に掲載されることはダメだとなった。
議会広報委員長が、この質疑応答を載せるのは「議会広
報にふさわしくない」と疑問を感じて議長に相談したと
のこと。
なんと、なんと議長も承認し、差し替えを共産党議員団
に要請してきた。
議長は議員歴20年を超える大ベテランである。
広報委員長は2期目の4年を超えたばかりである。
当然、議長としては広報委員長の疑問を、議会のそもそ
も論から説いて解消する責任がある。
にもかかわらず、一緒になって「アベ政治は許さない」
の質疑応答を議会広報から削除させようとした。
国政の与党の立場から、気に食わないのはわかる。だか
らといって、削除させるとは何事か?
公序良俗、事実に反することなら、議会の場で「議事録
削除」となる。
当然、議事録に掲載される項目のなかから、何を「議会
広報」に載せるかは、議員の自由である。
過去、「議会広報」に、議員の質問項目を気に食わない
からと、こんな横やりが入ったことは、私は聞いたこと
がない。
私は、たとえ「安倍政治はすばらしい」との議事録を、
広報に掲載されても、それは議会での議論であり、それ
をもし「掲載拒否」という事態になれば、断固反対する。
「私はあなたの意見には反対だが、それを主張する権利
は命をかけて守る」
ヴォルテールの有名な言葉だ。
そして議会の「イロハ」ではないか。
「議会広報」から削除することに賛成した議員は他にも
何人かいる。
共通しているのは、「基礎学力」問題に熱心に取り組ん
でいる議員だということがある。
当然、道教委の「クリアファイル問題」が念頭にあった
のであろう。
それを、市議会にまで適用するとは、「唖然」としかい
いようがない。
子どもの基礎学力うんぬんする前に、自らの「社会科の
基礎学力」の欠落を自覚すべきではないか。
議会は、よいこの学級会の延長ではない。(先生=安倍
政府)
私はいまだに怒りがおさまらない。
ファシズムの足音は、庶民の善意によって響いていく。
社会の閉塞感が増大しているなか、マスコミにおいても、
政権批判は許さないという雰囲気が、圧力が、増大して
いる。
NEWS23の西井氏への辞任要求が産経、読売の意見広告
で行われた。これも異常事態だ。
権力からの「スラップ訴訟」も起きている。
議事録からの「議会広報」への掲載拒否を、多数決で決
めることは議会制民主主義の破壊である。
これを許せば、委員長・議長にとって都合のよい「広報」
になってしまう。いわゆる多数決による「私物化」である。
今回の問題は、根が深い。
だからこそ、議長と広報委員長に「不信任案」を提出した。
議長不信任案には、自民党会派も賛成した。意見は違うが
議会人の良識をあらわしたのではないか。
情けないのは民主党会派である。なぜ否決したのか。
いずれにしても、「事は重大」である。
議会制民主主義を守るために。
ファシズムの足音のひとつを消すために・・・