雑誌「経済3月」号の特集は「日本の賃金どうすれば上がるのか」だ。
その中の藤田宏労働問題研究者の「求められる金融収益重視経営の転換」が、日本の技術力低下の一つの原因ではないかと思った。
日本のモノづくりを担う企業が、本業ではなく金融収益に大きくシフトしている実態がある。
かなり前に、電機産業の本業から金融収益が多くを占める実態を示す論文があった。
その流れが今も続いている。
経済3月号より
なんと金融収益が3割に。
これはあくまで統計上であって、個々の企業の実態はどうなっているのだろうか。
経営者はどう収益を上げるか。上の表を見る限り金融にシフトしている。
日本のモノづくりが、金融に資金や人員をあてる・・・になっていないだろうか。
昨日のH3の打ち上げ失敗にたいして、日本の技術力の低下、理系の軽視、現場からエンジニアがいなくなっているなどの声が上がっている。
完成が大幅に遅れて巨額損出を出した三菱重工の製造現場をみた古参の技術者が「驚いた」という記事を見た。
モノづくりの企業がどうなってしまったのか。
ファブレスやファウンドリなどの形態が収益を上げるものになっているが、
ファブ・レスとは、ものづくりをしないこと。
この実態もどうなっているのか。
大学も予算削減のなか、成果主義への予算配分にシフトしている。
iPS細胞の山中教授が予算獲得に走り回っているのはおかしいのではないか?
研究費が足りないなら軍事予算に応じなさいという誘惑も強
まっている。
軍事研究は視野が狭くなり、特許も秘密のベールにつつまれ、技術交流がなくなる。
研究者・技術者の非正規化も異常に進んでしまっている。
非正規研究者などの大量解雇も迫っている。
日本が迷路にはまりこんでいる。
アベノミクスの負の影をみるのは私だけではないであろう。
金融収益重視ではなく、いかに本業重視の環境をつくっていくか。
技術大国日本。
現場の奮闘に応えるためにも。
政治の責任が問われているのではないか。
追 記
6年前に書いたブログ
⇒ 人と技術・・・電機産業