ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

DMのインクレチン作用低下の原因は?

2013年04月02日 20時21分20秒 | 診療&トピツクス

 DMでは健常者に比較し、インクレチン作用が低下あるいは遅延している

とされているが、その原因はどこにあるのか?最近の研究では軽症DM

あるいはIGTではその分泌反応は健常者と変わらないか高インスリン血症

を伴う例ではむしろ亢進している可能性が高いとの報告がある。すなわち、

DMではインクレチン作用(インスリン分泌)が低下しているがインクレチン

自体の分泌は低下していない。この結果から、インクレチン作用の減弱は

インクレチン受容体の量(数)低下が原因とされている。この病態の主たる

要因は糖毒性にあると考えられるため、早期のインスリン治療による糖毒

性解除、あるいはTZDによるインスリン抵抗性の改善により、その受容体

(量)発現が改善し、DPP-4阻害薬の効果が増強することが期待される。

逆に糖毒性が軽度の軽症DMやIGTではDPP-4阻害薬単独でもかなり

有効性が高いと考えられる。当院の検討でもTZD先行例にDPP-4阻害薬

追加の方が有効性(血糖改善作用)が高いとの結果であった。

 

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