昨夜は〇〇製薬会社の社内勉強会に講師として参加しました。演題は
「軽症DM(IGT)の高インスリン血症合併」についてであります。当院では
原則DMが疑われた症例ではOGTTを施行しております。また同時にイン
スリン値(IRI)を測定しております。このデータからインスリンAUC(0‐2h)
のインスリン分泌量が判ります。高インスリンは軽症DM(IGT)では45%認
められましたが、中程度以上では皆無でした。また高インスリンとBMI・HOMA
‐RおよびHOMA‐βの相関ではいずれも正の相関を認めました。したがって
糖毒性の少ない軽症DM(IGT)症例でもACS(急性冠症候群)が多い実態を
説明できる可能性があります。つまりメタボの軽症DM(IGT)例で高インスリン
血症合併例ではACSのハイリスク群が40~50%存在しているため、このよ
うな症例では積極的な生活指導とインスリン抵抗改善薬などの早期医療介入
が必要と思われます。ちなみにHOMA‐R×HOMA‐β≧100~120(高イン
スリン指標)では高インスリン合併があると考えて良いと思います。