昨日はバーリーズクラブで経口Fxa阻害剤リクシアナの講演会が
あり出席しました。特別講師は弘前大学大学院医学研究科循環器
腎臓内科学教授の奥村謙先生であります。心原生脳塞栓症では日本を
代表する先生で、寝たきりにさせないための抗凝固療法に関して判り
易い御講演がありました。主題は心原生脳塞栓症の特徴とその治療法
についてであります。対象はワルファリン対NOACの臨床効果と出血
などの副作用に関する各STUDYの比較評価でありました。結果的に
現行のワルファリン治療では厳格にPT‐INRコントロール(2~3)しても、
脳梗塞リスクは避けられず、内服過剰や不安定症例では頭蓋内出血の
リスクが高く、総合的な治療効果が充分ではない現状がハッキリしてきた。
したがって、臨床効果が高く、副作用も優位に少ないNOAC製剤を積極的
に選択すべき現状になってきた。特に高齢者や腎機能障害(中程度以下)
のHAS‐BLEDスコアが2~3点以上ではNOACが推奨されるとしている。
またNOAC内服症例では禁酒と薬剤継続を厳守するのが鉄則であり、安易な
中断は脳塞栓症の原因になり、非常に危険であるらしい。従って、出血リスクが
ほとんどない外科手術の場合は内服を継続あるいは当日のみ中止で手術可能
としている。とにかく、解りやすい解説で非常に勉強になりました。