睡眠障害(慢性的)は身体や精神そして成長を阻害する危険性
があるされている。特に生活習慣病の発症リスクと相関があるとの
報告も多い。特に肥満・糖尿病・高血圧・うつ病など疾患との密接な
関係を示す研究データが報告されている。そもそも本来動物である
はずの人間が社会性を獲得したことと飽食の時代が少なからず睡眠
障害と悪化させていると思われる。最近の体内時計の研究で概日リズ
ム(サーカディアン)睡眠障害が注目されている。睡眠障害の原因とし
て重要な睡眠促進ホルモンである”メラトニン”と覚醒ペプタイドである
”オレキシン”が注目されている。夜になると松果体からメラトニンが多
く分泌され眠くなる。また朝の光を浴びるとメラトニン分泌が急減するこ
とで覚醒が起こるが、同時に視床下部からオレキシン分泌も増加すると
考えられている。これらの分泌障害や同期性の失調などで睡眠障害が
発生すると思われる。これらのホルモンは睡眠と覚醒だけでなく、食欲
や精神安定とも深い関係が想定されており、人間が生きていくために
必要な物質でもある。