奈良県明日香村の「都塚古墳」(6世紀後半)が、石を階段状に積み上げた国内では類例のない大型方墳とみられることがわかり、8月16日現地説明会が行われました。「都塚古墳」は、蘇我馬子の墓と言われている「石舞台古墳」の南東約400メートルに位置し、1967年の関西大の調査で方墳か円墳の可能性があると指摘されていたようです。横穴式石室(全長約12メートル)に凝灰岩をくりぬいた家形石棺が納められています。すでに、盗掘されていたようです。石棺内には人骨は確認されていませんが、木棺も安置されていた痕跡がみつかったようです。副葬品には、土師器(はじき)や須恵器(すえき)、鉄鏃(てつぞく)などの鉄製品があったようです。
今回の調査では、墳丘部から拳大から人頭大の川原石を積み上げた階段状遺構が出土し、東西約41メートル、南北約42メートルの方墳と判明しました。2段目以上は、高さ30~60センチ、幅約1メートルの平坦部を計5段以上、階段状に石と土を盛り重ねた構造(高さ4、5メートル以上)とみられています。ピラミッドのような特異な構造や天皇陵にも迫る規模から、多くの渡来人を配下に置き、天皇の外戚(がいせき)となって台頭した当時の権力者、蘇我稲目ら、蘇我一族の有力者の墓との見方が出ています。
今回は、細川谷の入り口にあたる明日香村の「都塚古墳」を撮ってきました。
石室にある、家形石棺のふたの内側には、かすかに朱色が施されているのが見ることができました。
それにしても、「飛鳥」は「古代の中心地」であることを、実感できる素敵な場所ですね!