Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

オープンソースの過去,現在,未来

2006-06-17 | Software
 この数年,ITの業界では,オープンソースソフトウェア(opensource software)が,非常に重要なキーワードとなっている.「オープンソース (open source)」というのは,一般的には「ソフトウェアのソースコードが公開されていて自由に使用できる」という意味だが,IT業界の専門用語としては,きちんとした定義がある.

 本書は,オープンソースソフトウェアの源流となった フリーソフトウエア とその創始者である リチャード・ストールマン の人物や考え方の背景について解説し,さらに,現在のオーブンソースとビジネス,日本のオープンソース,将来への展望などにつて,最新の資料をおりまぜながら,コンパクトにまとめている.

 著者は,UNIXやフリーソフトウェアには古くから関り,リチャード・ストールマンとも個人的に親交がある, 青山学院大学大学院国際マネジメント研究科 井田昌之 教授 と,大学院の井田先生門下で,日本のフリーソフトウェア活動の中心的団体である NPO 法人 フリーソフトウェア イニシアティブ の理事もつとめている 進藤美希 博士


[目次]
 プロローグ
 第1章 オープンソースの原点  
 第2章 オープンソースビジネスの展開
 第3章 日本のハッカーとコミュニティ
 第4章 次世代への展望


 本書では,OSSの背景としてのフリーソフトウェア運動の歴史と,現在のOSSについて,「過去と現在の対話」としてつづられている.
 また,リチャードの生の話し,フリーソフトウェアとオープンソースの違い,ビジネス・モデル,現在の日本のコミュニティ等の記述は,井田先生と進藤博士のコンビならでわのものであろう.


 フリーソフトウェアについて勉強したい人,歴史的背景,将来への可能性などについて改めて確認したい人に,オススメの一冊.


オープンソースがなぜビジネスになるのか
井田昌之,進藤美希 (著)
毎日コミュニケーションズ

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 本書は, 毎日コミュニケーション社 の新しい「MYCOM新書」のシリーズの一冊である.



 リチャード・ストールマン氏 本人についてさらに知りたい方は,以下の本を
フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集
長尾 高弘 (訳)
アスキー

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 オープンソースの歴史的背景について詳しく知りたい方には,以下の本を
オープンソースソフトウェア―彼らはいかにしてビジネススタンダードになったのか
倉骨彰 (訳)
オライリー・ジャパン

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