Dr. Jason's blog

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講義: 流体力学 2010-02 補足: 春の読書

2010-04-17 | Mech Eng
 理工系の大学生等で,高校の物理や化学について復習するための参考書については,前の記事で紹介した.


復習のための読み物

 中には,「実は中学の理科の物理や化学から怪しい」という場合もあるかもしれない.そのような場合には,以下の本を通読することを強くオススメする.
発展コラム式 中学理科の教科書 第1分野(物理・化学) (ブルーバックス)

講談社

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 理工系で必須の数学の中でも,微積分について,基本から復習したい場合には,以下の本をおすすめする.
微積分に強くなる―その意味と考え方 (ブルーバックス 478)
柴田 敏男
講談社

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流体に関係する読み物

自動車メーカーのエンジニアで,紙ヒコーキの世界大会の優勝経験者でもある筆者による,飛行の原理.
紙ヒコーキで知る飛行の原理 (ブルーバックス)
小林 昭夫
講談社

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地下を流れる水の流れ,地下水と地下水脈およびその循環についての入門書.
見えない巨大水脈 地下水の科学 (ブルーバックス)
日本地下水学会,井田 徹治
講談社

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機械工学についての読み物

これから学び始める機械系学科の一年生あるいは,機械工学をざっくり復習したい,3-4年生に,オススメの一冊.材料,工作,機構,熱,流体,制御等について簡単に概説している.
機械系学科の大学生には,この本のキーワードを「自分で説明できる」ようにしてほしい.
基礎から学ぶ機械工学 キカイを学んでものづくり力を鍛える! (サイエンス・アイ新書)
門田 和雄
ソフトバンククリエイティブ

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講義: 流体力学 2010-02

2010-04-17 | Mech Eng
 某大学での,流体力学の2回目.

 講義の主な内容は,例年どおり,以下のとおり.

  偉人 アルキメデス
  教科書
  流体の物性
  流体と個体
  圧力と圧縮性
  力と質量
  密度と比重
  宿題
  参考書


[偉人アルキメデス]


(http://tombow-web.hp.infoseek.co.jp/gakusya/ より引用)

 この講義では,流体力学に功績があった歴史上の有名人,偉人についてのエピソードも紹介している.
 数学,特に幾何学の分野の業績が知られている,古代ギリシアのアルキメデスは,流体力学に関連する業績もある.
 流体(液体)中の物体にかかる浮力に関する性質は「アルキメデスの原理」として知られている.

 アルキメデスとその功績については,以下の文献に詳しい.

Wikipedia (jp)
  http://ja.wikipedia.org/wiki/アルキメデス
  http://ja.wikipedia.org/wiki/アルキメデスの原理
文教大学教育学部学校教育課程 白石和夫 先生のサイト
  http://www.koshigaya.bunkyo.ac.jp/shiraish/sansuu00/15/shiryou15.htm
米国 ドレクセル大学,CHRIS RORRES 名誉教授のサイト
  http://www.cs.drexel.edu/~crorres/Archimedes/contents.html

 特に,RORRES先生のサイトは,とても詳しいので,興味の有る人は是非一読されたい.


[アルキメデスの原理 浮力]

 「浮力」の釣り合いのについて(重力場での,液体と液体中の物体に加わる力の釣り合い):

 浮力の大きさは,ある液体中で,物体がおしのけた液体の体積をVとすると,その体積V分の液体の重さと等しい.


 浮力と,物体の体積の関係を式に著すと(簡単のため液体が水の場合)

   F  =  -ρVg
   F:浮力[N],ρ:水の密度[kg/m3],V:物体の水没している部分の体積[m3],g:重力加速度[m/s2]

 なおこの法則は水だけでなく,通常全ての流体について当てはまる.浮力の大きさは流体中にある物体の密度には関係しないが,流体よりも物体の密度が小さい場合には重力と浮力は釣りあう.すなわち

   ρVg = mg   m:物体の質量[kg]

  m=ρVであるため,流体の密度ρが既知であればVを測定することで物体の質量を正確に知ることができる.
 あるいは,質量がわかっていれば,結果として,液体と物体の密度の比率を計測できる.

 浮力について,イメージとして重要なことは,「力の釣り合い」である.
 液体中のに物体がある(ある位置に浮いている)とき,そこで,物体が浮かんだり沈んだりしない,あるいは,膨らんだり縮んだりしない場合には,物体に加わる力は,釣り合っている.もし,釣り合っていないのなら,物体の移動や変形が発生する.
 この力の釣り合いについて,ピンとこない場合には,高校の物理からやりなおす必要があるかもしれない.


[春の読書]

 「流れの不思議」についてのレポート
 学生の「読書離れ」対策の一つとして,課題図書の通読とレポートを課している.
 課題図書「流れの不思議」を読んで,その概要と印象に残ったこと等を800文字程度レポートにまとめ,GWウィーク明けの 5/6 木曜日に提出すること.
レポートのスタイルは,いつものとおり,以下のとおり.

  学籍番号 学年 学科 氏名 提出年月日
  レポートの題目
  まえがき
  本文
   概要(本書の概要)
   印象に残ったこと
   その他
  あとがき


[課題図書]
流れのふしぎ (ブルーバックス)

講談社

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[高校の物理を復習するための参考書]
高校の物理に自身のない者は,以下の参考書を通読することを強くオススメする.
新しい高校物理の教科書 (ブルーバックス)

講談社

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おまけ
[高校の化学を復習するための参考書]
上述の本を読んだら,物理だけでなく,化学も復習した方が良いだろう.
新しい高校化学の教科書 (ブルーバックス)
左巻 健男
講談社

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