音声朗読ボランティアの奉仕員になって、もう10年以上が経つ。
でも忙しさにかまけて、最近では一冊の本も仕上がっていない有様だ。
一冊の本をテープに録音する作業というのは、漢字の下調べも含め、
意外と時間もかかり大変だったりする。
さらに目の不自由な方というのは、聞く力が長けていて、周囲の雑音が
入らないように、また正しいイントネーションで読み上げなくてはいけない。
同期で入った人達もその大変さから、バタバタといなくなるのも現実
なのだ。
私はなんとか名前を残し、ライフワークとして続けて行きたいと思っている。
そんな中で、来週全国大会の司会を担当させて頂く事になり、今日
打ち合わせに行ってきた。
場所は
国際会議場で、あまりの規模の大きさにちょっと腰が引けて
しまったけれど、それよりショックな事があった。
それは、私が福岡に来て同期で入ってきたK田さんが、今回その優秀な
活動ぶりを認められ、栄誉ある賞を受賞され東京の受賞式に行かれると
いうのだ。
K田さんは大企業の幹部を歴任されたあと、定年退職後に朗読ボランティア
を始められた方だ。
実はあまりに素敵な人柄と声の持ち主だったことから、司会の仕事を
お願いした事があった。
忘れもしない、「陳 健一炎の饗宴」でキッチンとホールに分かれて
実況を交えて2人で司会をしたのだ。
お話好きな陳さんを前に、2人で時間を気にしながら進行したものだ。
あれから何年経つだろう。
たまに連絡を下さったりする。
先日も子供のお祝いを持って、自宅まで遊びに来てくれた。
そのK田さんが九州でただ一人、賞を取られていた。
コツコツと続けるってこういうことなんだって実感した。
いまや指導する立場に立たれたK田さんは、私と大きく差を
つけられてしまった。
私がK田さんの年になった頃に、同じ賞が頂けるように
がんばろーって、新たな目標ができた。