タイトルはちょっと仰々しいですが、笑
今週末はいよいよ夏恒例神戸文化ホールでJapan Student Jazz Festivalです。
どのBig Bandも練習してきた成果を思う存分出せるといいのですが、会場の広さや音響によっては、練習場所とのあまりの違いに、普段の実力さえ出せない場合もあろうかと思います。
昔、私もやってたブラスバンドがそうでした。ホールでの練習などやったことが無い田舎のバンドで、年に1度の大きな会場、ステージも広い、そんな中で与えられた席に座って演奏しましたが、指揮の先生も上がってしまって、練習ではやったことないほどの超高速演奏してしまうなど、笑い話にしかならない結果でした。
それにくらべると、今の若者はいろんな意味で自分たちの演奏を客観的に把握できるツールが沢山あるので、会場で聞いても演奏が破たんしてしまうほどの失敗をみることはないです。この10年でも演奏レベルの向上が驚くばかりです。
しかし、音響を活かせてないということは、感じることがありますので、2,3書いてみます。
1.マイクの力は大きい
客席に伝える音量は生の音だけではなく、マイクを通した音も重要です。そうであれば、マイクを無視した振り付けをやる時は、意識して音量を加減する必要があるのです。マイクのない狭い会場では活きるフリ付演奏は、大ホールでは要注意です。
一番簡単な例はサックス隊のソリで立って演奏するところは多いですね。全員にマイクが付いてるような席で演奏してるのに、ここぞというところで立って演奏するとどうなるか。そうです、マイクの最適場所から離れてしまうので、音量がガタ減りなのです。ここぞという強調したいところで音量が下がるとは真逆もいいところですね。まあ、見た目では立つだけで変化があるので、人間の聴力が自動補正するかもしれませんが、他のパートも一緒にフォルテがかかってると、アンバランスな演奏になってしまいます。演奏者は音量を頑張っているので、演奏者はこのことに気付きにくいので、関係者やバンドのまとめを行う方が留意する必要がありますが、その方が慣れてないと修正できないのが現実かもしれません。
プロや音響システムに慣れたバンドは、立って演奏する場合に、二つの方法で音量を維持してますね。 ◇その1、立つ前にマイクを立った高さや向きに変える。 ◇その2、立ってもホーンのベルの向きはマイクを向いて前のめりで演奏する。(古いスイングバンドの映像はほとんど2の方法です。きっとマイクに触るとノイズが発生するので位置調整などさせなかった時代の証拠です。)
2.ミニマム・マイク時代: 2007以前
SJFのマイク&音響のシステムにも、変遷があります。10年前はリズム隊+ソロマイクだけのシンプルなものでした。これが一番公平と思うのですが、2000人収容の大ホールでは、音量が出せないバンドには、かなりの不利が感じられたのでしょう。甲南高校と高砂高校以外のバンドは音量のレベルがかなり違いました。当然音量のダイナミックさの幅が変わり届く感動も違うので、音量も重要なスキルでした。 音量の乏しいバンドはどうするかというと、各パートの人数を増やして音量を稼ぐところもありました。しかしメンバーを増やしていくとクリーンなアンサンブルが難しくなります。大所帯のサックス群をクリーンなアンサンブルにするには指揮者がびしっと抑える指揮が必要ですが、吹奏楽系のバンドは元々のやり方そのままで行けますが、そういう足の上げ下げまで指揮するような演奏スタイルには、高評価はで難かったようです。 また押しも押されぬトップグループの高砂BFJOでも音量の確保には苦労されていました。その結果編み出された?小技が、特に音量の限られるサックス隊について重要ですが、譜面台の位置を少し斜めにずらして、サックスのベルを客席から容易に見える位置にすることです。これはステージの写真を撮ってる方には分かり易い違いかもしれませんが、それによって客席までダイレクトに音を届けていたのです。このちょっとした違いは現在も有効です。
3.フルマイク時代:2008-2011
そういういくつかの問題への反省があったのかどうか、事の経緯は知りませんが、2008~2011の4年間は各人にマイクがセットされました。いわゆるフルマイク時代です。高砂高校のバンド名で言うと、松田組、藤城組、福山組、吉村組でした。
これにより音量出せるバンドとそうでないバンドの圧倒的な差が縮まったのですが、1.に書いたような別な問題が生じました。つまりマイクを活かせないバンドは全体の仕上がりが却っておかしくなる場合がありました。
フリを入れる際に、正面向いた時にマイクに向けなければ音量の差は少しで済みますが、正面の時だけマイクに向かい、それ以外はマイクが拾わないフリ付演奏はどうでしょうか。音量差が大きすぎて楽しめるダイナミックレンジを越えてしまい、正面以外での音が十分聞こえないのです。
もう一つの問題はステージ裏方や音響担当の方の負荷が増えたことでしょう。人数が多いバンドへのマイクの数が十分揃えられない、席に合わせたマイクセッティングが煩雑、時間がかかるなどが想像されます。そういうことから現在のシステムに変わったと想像します。
4.バウンダリーマイク併用時代:2012以後
そして最近のこの2年はフルマイクを止めて、ステージセッティングを容易にしたい、かつバランス上音量補正をしてあげたいサックス隊を補強するため(なのか?)バウンダリーマイクが使用されています。そういうところに関心のない方は現在はマイクなしに戻ったと思ってる方もいるでしょう。実は目立たないところにマイクがセットされているのです。それがこの下の写真の図解でお分かりでしょうか。ソロマイクだけが立ってるのでビジュアル的にもシンプルですね。
元写真はSJFのサイトからお借りした名古屋本城中の演奏シーンです。
上の図に青丸で示したものは、ステージの前縁に黒い箱でケーブルがつながっています。中継箱のようにも見えますが、これがマイクのようです。下の写真は中央のステレオ用マイクの中間(ステージセンター)に設置された青丸の位置のマイクです。調べてみるとAMCRON製のPCG-160というバウンダリーマイクでした。
このバウンダリーマイクは舞台など動きが大きなものの音も拾いやすく、かつ視界の妨げにならないメリットから、使われてるそうです。ビッグバンド全体配置からはサックス隊に近いので、その音を中心に増幅することが出来るでしょうから、サックス隊を重点的に持ちあげつつTb, Tpも少しはアップできると思われますので、いいのではないでしょうか。これが実際にどの程度活かされているのかは知りませんが、有効に使われてるような気がします。
高砂高校ジャズバンド部の2013吉川組のSJFでの1曲目の演奏、Blues Blower's Bluesを見ると、サックス隊が自席でスタンディングのソリをやったり、席の前に出てきてのソリをやったりしましたが、そういう時でもこのマイクが活躍してるということであれば、ここぞというサックスソリは席の前に出てきて並んで演奏するというのが一番、このマイクでサックス隊を強調できることになるんでしょうね。
今年の演奏がどんな風に展開されるのか、土日は応援に行きます。
マイクを活かした素敵な演奏が聴けるといいな。
皆さん、頑張ってくださいね。