この、どこかで聞いたことのある名前とロゴのカメ
ラ屋もとうとうやめてしまった。
ガテンの街だったところには写真屋と風呂屋が多く
残っている・・・とは言えひとつ、また一つと消え
て行くのだが。
ここを進んで商店街に入ると古い写真館が二軒あっ
た。
ここもやめてしまってからもウインドーに昔撮った
七五三や成人式なんかの写真が飾られていたままに
なっていたが、こないだうち覘いてみてみると店内
の備品は外され何かアートスペースの物のようにな
っていて少し寂しかった。
もう一軒も同じく「宣伝看板のお店」になってしま
っていてこういうボードにどうでもいいような人の
集まらなさそうな催し物なんかのチラシが貼ってあ
ったりするのだ。
書店外の出口付近に一軒今でもやっているカメラ屋
があるけれど、写真の話をしているのはあまり見た
事がない。
アーケードを抜けたところにあるこのカメラ屋も昔
は開いていたが今はもう辞めてしまったようだ。
フィルムにせよデジタルにせよ「カメラで写真を撮
る」と言う行為が生活の中から消えつつある今小さ
なお店はとてもでないけれどやってはいけないだろ
う。
しかし私らのような写真趣味の人間にとってこうい
う小さなお店はありがたかったのだ。
「オジサン!フィルム切らしたから二本ちょうだい」
とか
「オジサン!ミラーアップしたままになったよ!ね
じ回し貸して!」
なんてよくやっていたものなのだ。
しかしいまやカメラはデジタルでしかも壊れなくな
った(デジタルではなく途中ですねたりするカメラ
使っている私のような変わり者も居ますが)ので、
この手のカメラ屋サンはきつい事を通り越して廃業
するしかないのだろう。
カラフルなコンデジを並べてみたところで、一年し
ないうちに「棚ズレ品」になってしまうのだからそ
んな商売が出来うるはずもなく、仕方のないことだ
けれどさびしい事でもある。