冬の最後の叫びが
大地の皮膚を裂いていく
その中から
春の悦びがあふれ出す
氷にとじこめられていた
何万もの光の鳥の群れが
いっせいに空に飛び立つように
地球の大合唱が始まる
ああ
解き放たれたこの悦び
再び出会えたこの悦び
菜の花が
あんなにも金色に咲くのは
このすさまじいほどの悦びを
誰かと共にしたいと
地球が思ったからなんだ
菜の花が
あんなにもまぶしく歌うのは
地球のことばを
目に見える形にして
私たちにも伝えたかったからなんだ
だから
すべての命は
みんなこの地球の
ことば そのものなんだよ
(花詩集・10、2004年3月)