今日は、ちょっと手抜きエントリ。
前回のエントリでコメントくださった「蒼いウナギ」さんへの返信という形をとろうと思う。森永卓郎氏の
「消費税は不公平だ」
というコメントに対する反論で、これを詭弁とするコメントである。
反論だし、いつもの「である調」では大変にキツい言い回しになってしまう気がしたので、この返信については、「素」の自分…、「ですます調」でいこうと思う。
貧乏人は収入の8割を消費せざるを得ない。金持ちは2~3割の消費しかしない。
消費税は、その貧乏人の8割に、金持ちの2割にかかる税金なのだ。これのどこが公平なのか。
(蒼いウナギさん)
これは詭弁でしょう。
思わず納得しそうですけど、貧乏人の8割ではなく、
貧乏人の収入の8割に相当する金額、
金持ちの2割ではなく、
金持ちの収入の2割に相当する金額、
が消費税の対象になるわけですけど、常識的に考えれば金持ちの方が消費は多いわけです。
短絡的に消費税率を上げ続けていくことには反対ですが、消費量に対して課税すること自体は公平だと思います。
相対的に貧乏人に対しての課税を下げたいのなら、食料品などの生活必需品に関しては課税率を下げるか免除するなどの方法があります。生活必需品以外の消費を中心に課税できれば、不公平だという向きにも対応できるわけですね。
では、返信開始。
詭弁だとは思わないですよ。むしろ平等だと主張する方が、私は詭弁だと思います。
エントリでも述べているように、それならまだ収入から一律15%の方が平等でしょう。ケタ違いの増税なんで賛成はしかねますが、平等は平等です。
おそらく蒼いウナギさんは、生活必需品に税金をかける事により、節税対策をしている人や年金や生活保護受給世帯からでも税金を徴収できる点で平等だとおっしゃるのかもしれませんが、極端な話、1日1000円稼げる人と、1日1万円稼げる人がいて、食費に両方とも1日800円かけてるとして、今までと同じように法人税のバーターとして消費税をアップさせるやり方が、本当に平等と思えますか?という事なんです。
消費は800円なので、税金は一律120円になり、収入1000円の人は12%徴収され、収入1万円の人は1.2%しか徴収されない事になるんですよ?
これの問題は、蒼いウナギさんのおっしゃるように、生活必需品にも一律に課税している(大衆消費課税である)点です。この点を「問題」と主張されているので、基本的に同じ考えを持ってはおられると思いますが…。
ちなみに、日本では昔、消費税の導入と同時に物品税が廃止されています。これが蒼いウナギさんのおっしゃる「食料品0%」の政策です。昔の日本はその政策をとっていたわけですね。
物品税では、例えば自動車に15.5%~23%課税されていました。他にも宝石や毛皮、家電等…。これらが廃止され、消費税が導入された事を考えると、実にものすごい単純な、「金持ち優遇&経済優先策」である事がわかります。実際日本では家電は安いです。当時、消費税の導入は減税として紹介されていました。
これ(消費税導入は減税)を詭弁と言わずして、なんと言えばいいのでしょうか。
この辺り、私の主張と日本共産党の長年の主張がシンクロしています。彼らはある種の議論において、かなりフェアな主張をしていると思っています。
それと、物品税が廃止された背景としては、課税対象を決めておかねばならず、執行困難だった点があります。蒼いウナギさんのおっしゃるように、例え食料品を免税対象とすると言っても、免税対象を決めねばならず、同じような執行困難性が付きまとうでしょう。
システム的にシンプルであると評価もされている日本の消費税が、再度先祖返りする可能性は私は低いと見ます。業務系システムエンジニアである私の職業的視点から見ると、会計システムやレジなんかのシステム更新は必須です。消費税率の変更なんかはシステム上折込済みですが、物品税のような個別消費税導入では話は別でしょう。
仕事の需要が増えてシステム屋には好都合かもしれませんが…。負担を強いられる日本の全企業の支持が得られるでしょうか。よほど強い政権基盤が必要でしょうね。
と、言うわけですみません。蒼いウナギさん。徹底的に否定してしまいましたが…。このコメントを返信せずに放置してしまうと、自分のブログで主張している内容を否定しかねないので、あえて厳しく反論してみました。
冒頭の森永卓郎氏の「消費税不公平論」を、これでも「詭弁」と断言できますか?
以上。返信終了。
と、言うわけで、俺はコメンテータとしての森永卓郎氏、あまり好きな部類ではないのだが、このコメントだけは全面賛同できるのだった。
俺自身は詭弁を弄しているつもりはないので、もし俺のこの論弁が詭弁であるなら、それは俺が誰かに騙されている事を指す。もし俺が騙されているのであれば、騙している相手は日本共産党と言うことになる。
反論があれば受け付ける。できるもんなら是非論破してほしい。できれば具体的でわかりやすく詭弁である理由を説明してほしい。場合によっては再度エントリ投下する。再エントリ投下時は、新カテゴリとする予定。
ちなみに、俺は過去2回ほど、これぐらい強烈に主張しておきながら論破された事がある。2回とも大変恥ずかしかったが、大変勉強になった。
だから、こういう返信しがいのあるコメントがあると実にうれしい。勉強になるもんなぁ。