博文(ひろぶみ)通信

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いわき市に限らず・・・

2013-05-02 21:41:52 | 日記

 

<福島民報ニュースより>

家不足深刻さ増す いわきの物件満杯状態

  東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から2年以上が経過し、いわき市内の住宅事情が一段と深刻さを増している。多くの避難者や復旧・復興事業に携わる作業員を迎え、市街地の賃貸物件は満杯状態が続く。転勤者が市郊外からの通勤を余儀なくされたり、県内外の避難者がいわき市に移ろうとしても入居先が見つからずに二の足を踏んだりするケースも目立つ。賃貸物件の建設は需要に追い付かず、関係者は「官民一体の対策が必要」と訴える。

■四苦八苦
 「物件不足は予想以上だ」。埼玉県から今春、いわき市に単身赴任した金融機関の男性職員(45)は険しい表情で話す。市内平の勤務先近くのアパートは全て入居者が決まり、バスで40~50分ほど離れた市内小名浜に居住地を求めざるを得なかった。最近になって勤務先から徒歩20分ほどの市街地のアパートに空きが出たため引っ越すことができたが、不便な立地条件でも賃貸契約を交わし、他の空き物件を探しながら新生活を始めるケースは少なくない。
 県内外から市内への転居を希望する避難者も入居先が見つからずに四苦八苦する。埼玉県加須市に役場機能本体を置く双葉町はいわき市南部の東田町への移転を6月に控える。町には市内への引っ越しを望む複数の住民から相談が寄せられているが、市内にある町の仮設住宅はほぼ満員だ。担当者は「市内に直接足を運び、空いているアパートなどを探してもらうしか手がない」と声を落とす。ただ、いつ、どこに空きが出るのか分からず、職員の住宅の確保さえ見通しが立たない状況だという。

■自前で宿舎
 「要望に何とか応えたいと思っても、空きが出れば予約待ちの人ですぐに埋まってしまう。供給過多だった震災前と比べ、状況は一変した」。約1500戸の賃貸・仲介物件を扱う報徳土地営業部長の星由美さん(52)は厳しい実情を明かす。
 市内の賃貸物件は震災直後から被災者・避難者の借り上げ住宅や復興・復旧作業員の宿舎として次々に埋まった。同社の保有物件は震災の約1カ月後に全て借り手が決まり、現在は100人以上の入居待ちの予約者を抱えている。1日平均10件ほどの問い合わせが舞い込むという。
 地震と津波の被災地となった同市には被災市民約8千人をはじめ、双葉郡の避難者約2万4千人が暮らしている。作業員の滞在は受注業者が作業の効率化や長期化を見据えて自前の宿舎を設ける傾向にある。楢葉町の除染に当たる3社の共同企業体は昨年秋、町内の天神岬スポーツ公園内にプレハブ宿舎3棟を建設し現在、約140人が滞在している。他の業者にも宿舎設置の動きがあるが、市内の賃貸物件はいまだに需要が上回る。
 高いニーズを背景に、賃料の値上げを検討する動きも一部に出ている。

■宅地も不足
 県宅地建物取引業協会いわき支部の佐藤光代支部長(70)は「結婚を控えたカップルの新居が見つからないなど、さまざまな面に影響が出ている」と表情を曇らせる。
 賃貸物件は大手住宅メーカーを中心に新築が進んでいるが、需要を満たせるほどは増えていない。5年先など短期間の需要は見込めても、災害公営住宅の整備が進めば供給過多になりかねないとの懸念があるためだ。
 土地不足の解消も課題だ。宅地需要は増加傾向にあり、避難生活が長引くと予想する避難者は新たな生活基盤を築こうと、戸建て住宅を求める傾向にある。避難者らが望む宅地は医療機関や商業施設が多い市街地やニュータウンが多く、ほとんどは、買い手が決まった状態だという。このため、郊外の住宅団地の土地購入者も増えている。
 同支部は住宅建築などが制限されている市街化調整区域などの基準を緩和し、物件を新築しやすい環境づくりを行政に求めている。しかし、同区域での住宅建築は都市計画法上、原則認められていない。佐藤支部長は「対策を急がないと問題は広がる一方だ。実態に合わせて柔軟に対応するなどの手だてが必要」と強調する。
 市住宅課は「災害公営住宅など地震・津波の被災者や原発事故の避難者向けの住宅整備が進めば賃貸事情はいくらかでも改善する」と見込む。ただ、市や県の住宅整備は緒に就いたばかりで、早急な建設を求める声が上がっている。

■背景
 原発事故に伴う双葉郡内の住民は、同じ浜通りで温暖ないわき市に避難したり、他の地域から再避難したりするケースが多く、現在の居住者約2万4千人は県内市町村で最多となっている。富岡、大熊、双葉、浪江の4町は市内などに町外コミュニティー(仮の町)を整備する構想を掲げており、具体化すれば人口はさらに増えるとみられる。災害公営住宅は市が地震と津波被災者向けに16団地計約1500戸を確保する予定で、早い場所では来年3月末までに入居が可能となる見込み。一方、県は原発事故の避難者用に250戸の整備を決めたが、建設戸数の上積みが必要になっている。

( 2013/05/02 09:18カテゴリー:主要

*いわき市に限らず当然、このような実態は把握しており、以前から早急に災害公営住宅(町外コミュニティ)を整備するよう国・県に求めていました。しかし、先行整備500戸分(いわき市250戸、郡山市160戸、会津若松市90戸)ですら、原発事故被災自自治体に対しての戸数配分も未だに示されていません。

ボールを何度も投げ続けているのですが、国・県からは返球がありません。「悔しいです」。