新選組の人数も増え、組織としておおきくなりつつある頃、近藤勇がリーダーとして成長をすることよりも、新選組がより強靭な組織に進化することよりも、時代はスピードを上げて近藤達を飲み込んで行く。動乱の中、正義とは?信念とは?真実とは?この先の日本の行く末は?・・・感情、策略、陰謀が渦巻く幕末の様子と、そんな時代に戸惑う近藤の様子が描かれている。色々なモノが渦巻く様子を「色」で例えると灰色になる。それは実際に各種の絵の具をパレットに出し並べて筆で混ぜると、出来上がる色は灰色になってしまう様子から例えられているのだろうと思う。国内外から色んなモノがいっせいに飛び出して来ては入り込んだりした幕末の日本の様相は、まさに色んな色を混ぜこねた状態だったと思う。しかし幕末のこの混沌とした様は「赤」であろう。沸々と沸き上がる日本人のパワーと言うか、愛国心というか情熱と言うのか、言葉に置き換えられないモノがそこには在った。その先人達が持っていて今の我々に無いモノがあの時代には在ったからだ。だから300年も続いた徳川政権にピリオドを打てたのだと思う。血液が沸騰するかの如く熱い時代だったであろう。そんな赤の時代に、より赤い色の赤、真紅とも言うべき赤、異色の赤、を放っていたのは新選組だと思う。
背表紙より。
「池田屋事件後、軍中法度(はっと)を定め、法度破りには、切腹か打首という厳罰を用意した。それはやがて粛正の嵐を呼び新選組は、その様相を異にしていった。己を正義と信じ剣をふるい、奮戦するも甲斐なく幕府は崩壊。近藤勇らは、朝敵として処刑される。動乱の時代に生きた男の姿を独自の史観で活写する時代巨編。」
池波正太郎 著 「新装版 近藤勇白書(下)」講談社 571円(税別)
新装版 近藤勇白書(上)
背表紙より。
「池田屋事件後、軍中法度(はっと)を定め、法度破りには、切腹か打首という厳罰を用意した。それはやがて粛正の嵐を呼び新選組は、その様相を異にしていった。己を正義と信じ剣をふるい、奮戦するも甲斐なく幕府は崩壊。近藤勇らは、朝敵として処刑される。動乱の時代に生きた男の姿を独自の史観で活写する時代巨編。」
池波正太郎 著 「新装版 近藤勇白書(下)」講談社 571円(税別)
新装版 近藤勇白書(上)