日中は暖かく、早咲きの桜も満開になってきた。
海の中も、真鯛のノッコミシーズンに、入っている気がする。
ここ何日か、上り潮が入って良い感じの潮色になっている。
あちらこちらで、良い感じのベイト反応も出ている。
最初に入ったポイントには、良い感じで鰺の反応が出ていた。
「この反応は、多分、鰺だと思います」
直ぐに、竿出しを勧める。
清水さん、小佐治さんにヒットしてきたのは、目鰺だった。
鰺のアタリは、続くのだが…。
昨日と違って、型が小さくなっている。
宮田さんが、アタリを捕らえた。
ウッカリカサゴが、ヒットしてきた。
ベイトの中に、鯖のアタリも混じりだした。
丸々とした、脂ののった感じの鯖だ。
清水さんに、強いアタリが来た。
鰺、鯖の群れに付いている、何かがヒットしてきた。
「可成り上で、ヒットした」
海中に、白く光って見えるのだが、なかなか動かない。
「何だろう」
清水さんの頑張りで、海面に浮いてきた。
「鮫だ」
「青鮫とと違うかな」
タモ入れに抵抗して、針が折れた。
「鮫とは、ガッカリやな」
笑い声で、盛り上がった。
気持ちを切り替えて、次の流しに入る。
清水さんに、アタリが来た。
竿先を叩く、重量感のある引きは、真鯛と確信する。
その姿が、海面に出てきた。
60センチクラスの、良型だ。
次のアタリも、直ぐに来た。
「連続ヒットですね」
「俺たちには、ヒットがない」
様々な声が、飛んでくる。
注目が集まる中、大きな真鯛が姿を見せた。
「70センチです」
計ってみると、ジャスト70のノッコミ真鯛。
「美味しくビールを頂きます」
船内に、笑い声が広がった。
船を流していると「二枚潮かな」と思える、潮の変化が見られる。
アタリを捕らえるのに、ちょっと苦戦するかな。
ポイントを移動しながら、アタリを捕らえていく。
アヤメカサゴ、レンコダイが上がってくる。
小佐治さんに、重量感のある強いアタリが来た。
走る様子は見られないが、可成りの重量感は有る竿の曲がりだ。
「ハタかな?」
時折、リールの巻き上げが出来ない位の、引きが来る。
可成り巻き上げたと、思った一瞬。
「あっ…」
針が外れた…。
「正体が見たかった…」
口惜しい思いが残った…。