「表は波が高けーして、出られんよ」
仲間とこんな会話から始まった、今日の釣り。
久し振りの海は、台風22号の濁りが広がっていた。
「まずは、内場に入りましょう。後は、風が収まってくれば表に行きましょう」
長いこと、表のポイントに入っていない。
今日は、途中からでも入ってみたいと思っているのだが…、どうだろう。
温水さん、岡村さんが同時に釣りを開始する。
釣りの合間には、岡村さんが温水さんにジグの重さなどについて、色々と質問している。
初対面のお二人だが、楽しそうに会話が弾む。
そんな中、最初のアタリは岡村さんに来た。
「そんなに大きくないです」
上がってきたのは、良型の鰺。
北の風が強く吹き、下潮が速い状況の中、重ためのジグに良型の鰺がヒットしてきた。
岡村さんも「このジグに鰺が来るとは、ちょっとビックリです」と、驚きの表情。
次のアタリは、直ぐに来た。
「重たいですね」
糸引き鰺が上がってきた。
「こいつは、重たいですよね。平べったい分、重量感は有りますね」
3度目のアタリも、岡村さんに来た。
最初のアタリから、青物と思われたが途中で針が外れてしまった。
「残念、又来ますよ」
この後、風が北から北東に変わり、沖合では白波が立ち始めた。
平瀬の近くまで行ってみたが、表に出られる様な状況ではない。
「ちょっと、ベイトを探します」
ウネリと風を気にしながら、ベイトを探す。
どうにか、小さなベイトボールが集まっている処を見つけた。
「ちょっと、やってみましょう」
その一流し目、温水さんにアタリが来た。
ややきつく締めてあるドラッグから、ラインが引き出される。
「青物かな」
「なんか違う気がします」
タモを構えて待っていると、銀白色の魚体が見えてきた。
「平鰺だ」
56センチ、2.5キロの良型の平鰺だ。
「やった、今日はボーズを覚悟していただけに嬉しい」と、飛び切りの笑顔。
アタリが出るまで、ひたすら粘ってしゃくり続けた結果が出た。
今度は、岡村さんにアタリが来た。
上がってきたのは、これも良型のイトヨリダイ。
「ジギングは、楽しいですね」と、笑顔が良い。
船を戻して、少しコースをずらして二流し目に入る。
海底の変化しているところにベイトが出てきた。
すると、「来た」「俺も来た」と温水さんと岡村さんがダブルヒット。
岡村さんのアタリは、割とスムースに上がってくる。
上がってきたのは、オオモンハタ。
「これからの時期、美味しいですよ」と、説明する。
温水さんのアタリは、重量感のある重々しい感じが伝わってくる。
海中に鰤の姿が見える。
「やった、鰤が来た」と、笑顔が弾ける。
ダブルでヒット。釣果写真もダブルでパチリ。
「念願の鰤が釣れました。嬉しいです」
「両手に持って、もう一枚撮りましょう」
71センチ、3.4キロの良型だ。
この後、コースを変えてもう一度流すと、ヒットする魚が大きなフグに変わった。
「えっ…、何でフグ…」
と、思ったが、岡村さんがリーダーを切られた。
もう少し、粘りたかったが、此処で納竿。
帰りの船内は、釣果の話で盛り上がっていた。