『QFD―企画段階から質保証を実現する具体的方法』という本を読んでいます。
企業内における質保証の活動としては、品質特性展開表と工程要因との
二元表を作成すれば、企業内部の立場で、顧客に対する要求を保証するための
検討ができる。
しかし、近年、実際に市場に出向いて顧客の要求を把握することが求められ、
品質特性展開表と顧客の要求との二元表を作成することの必要性が提案された。
これは、“プロダクト・アウトからマーケット・インへ”という言葉で品質管理に
マーケテイングが導入され始めたことと関係している。
ドラッカーの「顧客の創造」という言葉は、ある意味”プロダクト・アウト”
顧客の潜在的な要求を察知して商品化することを示しているのではないかと
思うのですが、一方”マーケット・イン”という言葉は、細分化した顧客の要求を
把握して、対象を絞り込み、自社の商品やサービスを差別化する活動である、と
考えることができます。
いずれにしても、何らかの方法で、顧客の顕在的・潜在的要求を掴み、
その要求の重要度を定め、SWOT分析(自社の強み・弱み、機会、脅威)を
検討しなければなりません。顧客の要求は、技術的には背反する場合もあり、
QFDのような顧客の要求(要求品質)と技術的な課題(品質特性)との関係が
見える化(視える化)できるようなツールを使わなければ、自分が把握する
ことはもちろん、他者と共有することが難しいのです。
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