※こちらにも茶子の遺体の写真が出てきます。
キレイに飾って眠ってるようではありますが、見たくない方は見ない方がいいですよ。
お寺に着いてほしくない気持ちを抱えながら、ナビに従って走れば走るほどお寺は近づくわけで、、。
ペット霊園ソウルメイト(長福寺)さんは、田舎の街の少し高台にあった。
軽がやっと通れるくらいの細い短い道を登ると、その先にあった。
適当なところに駐車して、ここに停めていいか聞きに行くと、和尚様が対応してくれた。
(停める場所はオッケーだった)
「猫ちゃんをお連れになってお入り下さい」
とのことで、車に茶子を取りに行き、中へ入る。
本堂へ通され「こちらに置いて頂けますか」とのことで、絨毯の上に茶子を置く。
もう置いた時から涙が止まらない。
私は茶子の頭の方に座るよう言われ、正座して座ったら「お経は長いですし、お家で茶子ちゃんを撫でる時と同じように、足を崩してリラックスした体制で大丈夫ですよ」と言われた。
すぐ足がしびれそうだから良かった、、お家で、撫でるときのように。。
後ろには木魚や鐘など、お坊さんがお経を上げる時のセットがある。
お経が始まると、後ろからお経が聞こえてくる。
べそべそ泣いて心が張り裂けそうだったかど、なんていうか、木魚を叩くどっしりした定期的なリズムを聞いて感じてると、不思議と心が落ち着いてくる。
お経を聞きつつ、茶子の顔を覗き込んだり、撫でたり、、もう最後だからと、ブランケットをはだけて、背中やお腹、手足、尻尾と、万遍なく撫でて、毛の柔らかさに癒されつつもボタボタと涙が止まらない。
途中で、和尚様が茶子の手に数珠をつけてくれた、、、小さくて可愛い数珠。
似合ってるよ、可愛いよ、茶子。
良かったね、安心してあの世に行けるね。
何度見ても、本当に「ただ寝てるだけ」のように見えて、むくっと起きて私を見てニャーと鳴いてくれないかと、何度も思った。
可愛くて可愛くて、離したくない、側にいてほしい、涙が止まらない。
和尚様が、合間合間に茶子を愛おしそうに撫でてくれたり、言葉をかけてくれたりするので、有り難いやら嬉しいやらで、また号泣。
お経が終わると「もし毛を取っておきたいようでしたら、あちらに道具があるのでお使いください」と言って、和尚様は火葬準備で本堂を出て行った。
見ると、このようなセットが。
はさみを借りて、丸いケースに胸の毛と背中の毛、お髭を2本、カットして入れた。
火葬の準備が整ったので、茶子を連れて外の焼き場へと向かう。
いよいよか、、、ああ、この身体とお別れなんだ。。
マットを敷いた台の上に茶子を寝かせた。
フードは燃えないかも?持ち帰ろうと手に取ったら、「ちゃんと燃えるので大丈夫ですよ、口元に置いてあげて下さい」と言われた。
お花は、、と思ったら、短くカットしてくれて「茶子ちゃんを可愛く飾ってあげて下さい」とのことで、茶子の周りにお花を可愛く置いてみた。
ヤバイ、、どうしよう、、凄く可愛い。
ますます離したくなくなるではないか、、。
よく見たいのに涙が次々に出てきてボヤけてよく見えない。
和尚様が「よければ写真を撮っても大丈夫ですよ」と言ってくれたので、2枚、撮ることができた。
これでお別れ、見納め、と思うと、ああ辛い、、いやだ、離したくない、焼いちゃうの?嘘でしょ、、、あたしの毛が、肉が、、茶子が、、。
でも、、、このままに出来ないのも分かっている。
ちゃんとしなきゃ。
しかし辛い。
手も耳、尻尾の先も、可愛すぎて見納めなんて、、。
もう本当に最後、、頭を撫でてボロボロ泣きながら「またね」と言った。
「よろしいですか?」
「はい、お願いします」
焼き場の無機質なグレーの色の中に、色とりどりのカラフルで可愛い茶子が入って行く。
とても丁寧に事を進めてくれる和尚様、、それをじっと見守る私。
茶子が入り、蓋を閉め、合掌。
火葬のスイッチが押された。
終わるまで、こちらの部屋で待つ。
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部屋に来て嗚咽が止まらない。
和尚様は、後で茶子ちゃんのお話聞かせて下さい、また来ます、と出て行ったので、思う存分泣いた。
持参したティッシュとゴミ袋、タオル。
絶対必要、涙と一緒に鼻水もとめどなく出るから。
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ひとしきり泣いて、少し落ち着いた。
あたしの毛皮、お肉、、燃えちゃった。
あ、さっき切り取った毛があったんだ、と、取り出して眺めてまた泣いて。
胸と背中の毛が混じりそうなので、ティッシュで仕切りを作ったりした。
上の太い白いのはヒゲ。
かなり経ってから和尚様が来て、茶子が我が家に来た経緯や、その後のこと、病気が分かって看病し、最後は薬・給餌・点滴を止めて自然死に近く看取ったから、とても穏やかな最後だった、という話をした。
「辛かったでしょうがよく決断されましたね」と言ってもらえて心が和らいだり、和尚様が動物に関わることとなったお話や、この世あの世のことなど、多方面に渡っての本当に色々な話をしたし、聞いた。
お茶を出してもらったので、2人で飲みながら雑談するような時間だったけど、普通はこんな風にお話しする時間を、しかもゆっくり取るなんて、してもらえないよね。
ソウルメイトさん、ならでは、なのかな。
すごく特別な時間だった。
貴重で、もったいないくらい、心に贅沢なくらい素敵な時間だった。
話しながら、疑問に思っていたことに答えが出たり、モヤモヤしてたことが納得できたり、お互いの動物の死に関することで似た考えを共有できたり。
あっという間に時間は過ぎ、火葬が終わり、骨壺に納骨する儀式。
本堂に呼ばれたので行くと、銀色の大きなバットの上に茶子の骨がキレイに並べられていた。(写真はない)
頭、顎、肩甲骨、腰骨、背骨から尻尾まで、手足、指、爪。
生きていた時を想像しやすい配置で並んでる。
それ以外の骨も、欠けたり割れたりした小さなものまで、別の小さなバットにまとめられていた。
バットの上の骨を挟むように、和尚様と私で向かい合って座る。
「心臓のあたりに何か疾患があったような跡がありますね」と言われ、見てみると背骨のその辺りが少し黒く変色していた。
リンパ腫から、腎臓、肝臓と悪かったから、それのどれかかな。
そして、喉仏の説明を受けた。
本当だ、装束をまとった仏様が合掌してるような形。
どの動物も大きさの違いはあれど、みな同じ形をしてる、と聞いてビックリ!
これと同じ形の、おそらく少し大きい喉仏が私にもあるのか、、。
思わず喉を撫でて、喉仏を確認した。
骨は多少のひび割れはあるものの、かなりしっかり残っているそうだ。
焼いた後の骨を見ると、どんな生活だったか、どんな最後だったか、また患っていた疾患が分かる場合もあるらしい。
和尚様いわく。
「骨が全てを語っているんです」
小さいバットの細かい骨から、骨壺に入れていった。
一番上が頭になるよう、逆の順番から骨壺に納められるよう、足の指、足、、と、入れていく。
足の指の細かな骨を何粒かつまんでいたら、おや?青白く色が着いた骨がほんの少し混じってる👀
和尚様に聞くと、薬などの成分や、食べたものの添加物などが化学反応を起こしてこのような色になるとのこと。
「病気になって薬を飲んでたから」
「でも、かなり少ないですよ。
もっと全身に色がつく子もいるんです。
もっと骨が割れたり折れたり、ボロボロになる子もいます。
最後にされた辛い決断のお陰かもしれませんね。
多少のひび割れはあっても、かなりしっかり骨が残っていて、生前の生活がこれを見てるとわかりますよ。
このように亡くなってからも、動物は骨で語ってくれるものなのです」
もちろん、和尚様のように熟知し、キチンと説明してくれる方がいてこそ、だよね。
骨を目の前にして、詳しい説明、質問にも答えてくれて、なんて有難いんだろう。
もちろん、骨がしっかりが良い、ボロボロはダメ、なんてことはない。
骨髄まで使い果たすと骨がストローのようになる子もいるらしいけど、きっとそんな子は、命を使い果たすほどギリギリまで飼い主さんの側に留まった大往生な子、という見方だって出来るんじゃないかしら。
そうそう、「お骨はこのまま入れますか?分骨なさいますか?」と聞かれたので、尻尾の先の小さな骨をペンダントに入れてもらった。
これで、いつでも一緒だ、嬉しい。
あとは爪とキバを一つずつ、毛を入れたケースにおさめた。
分骨すると、あの世で欠けた部分ができて不自由をする、というのは間違いらしい。
この世の姿は仮の姿、亡くなった時から魂は完全な姿で別な場所にいる。
骨を分けても何の支障もない。
骨壺に尻尾の骨を入れようとしたら、和尚様が「おや?、、お尻から尻尾の途中にかけて鬱血した後がありますね?何か疾患があったのかな?」と言って、あっ!となった。
「最後に酷い便秘になって、3回も摘便してもらったんです、、そのせいかも、、」
やっぱり摘便は身体に負担だったんだね、、ほんとだ腰骨や尻尾の骨をひっくり返すと、内側が所々、黒く変色してる。。
頭以外の骨を全て骨壺に入れ終わると、頭と顎、喉仏の骨は和尚様が形も位置も正面を向くように丁寧に入れてくれた。
骨壺のカバーを選び、セットしてもらって、これで全てが終わり。
桜模様のピンクのカバーにした。
茶子らしくて可愛い。
お会計をして、また少しだけ雑談をし、丁重にお礼を言って、お寺を後にする。
玄関の外までは見送られなくてホッとした。
骨壺を助手席に乗せたり、ナビをセットしたり、すぐ出発できないから。
まだ冬なのに、春のように暖かい。
日差しも明るく柔らかで、豪雪地帯とは思えない。
出発前に、高台にあるお寺から街並みを見下ろし、春のような空気を味わった。
胸いっぱいに吸い込むと、心が軽くなるような美味しくて優しい空気だった。
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助手席に茶子さん鎮座。
これから2人で宿に行くよ。
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・真冬の新潟なのに雪が全くなく運転が楽だった。
・晴れて暖かく気持ちの良いお天気。
・あと半日遅れていたら、和尚様は東京に3日間も出張で不在だった。
和尚様いわく
「茶子ちゃんが導いてくれたのかもしれませんね」
親しい方に話したら
「茶子パワーだよ。
お天気も、穏やかな顔してたから春みたいな陽気になったんだよ」
本当に、そうかもしれない。
私もそう思う。
様々な偶然とタイミングで、ペット霊園ソウルメイトさんへ来れた。
この方しかいない!と、ずっと思ってた和尚様に茶子のためだけにお経をあげてもらえた。
丁寧な火葬、納骨の説明、たくさんのお話し、、全てが、偶然?いや茶子パワーの必然だったのかもしれない。
茶子に必要だった、、というよりも「私に必要だった」からこそ、茶子が私を和尚様の元へ導いてくれたのかもしれない。
ありがとう、茶子。
大好きだよ、ずっとずっと大好き。
可愛くて、愛嬌があって、マイペースな甘えん坊さん。
姿は無くなっても、ずーっと「私の茶子」だよ。
魂は繋がってると信じてる。
さて、出発の準備が整ったので、春うららのなか茶子を連れてイザ!少しお高めの宿へ!
涙はまだ出る。
いないのが悲しい。
撫でたい、触りたい。
でも、今は、すこぶる悲しんでいい時。
無理に涙を引っ込めたり、頑張ったりしなくていい。
思いっきり思い出に浸って、心を痛めてたくさん泣こう。
きりがなくても、泣ける限り泣きまくってやる。
命のお別れより。
肉体のお別れ。
それが、こんなにも辛いことを知った。
父や弟の時は、ここまで感じなかった。
本当に想定外で、生きてると色んな経験をするものだな、と。
読んで下さって、ありがとうございました。
次は、少しお高めの宿に茶子と泊まったよ、を、お送りいたします。