「理想の国の姿を語るのは憲法」

昨日に続いて安倍首相の施政方針演説に関連して。
安倍首相はこの演説を次のような言葉で締めくくった。
「50年、100年先の未来を見据えた国づくりを行う。国のかたち、理想の姿を語るのは憲法です。…私たちの子や孫たちのために、今こそ新たな国づくりを、共に進めて行こうではありませんか」。

私など、戦争を少し体験して、そのひどい荒廃した戦後世界から今日まで歩んできた日本を生きて来た者の一人として、安倍首相の上のような呼びかけに大きな違和感と疑念をもつ。

戦後つくられた「日本国憲法」は、その前文が実に格調高く未来の国づくりを宣言していることを安倍首相はどう評価しているのか、はなはだ疑問である。
主権が国民に存することを宣言し、民主主義を「人類普遍の原理」として確認している。そして、ただ日本は自国だけでなく「全世界の国民が…平和のうちに生存する権利を有することを確認」した。

私は今の日本国憲法こそ理想の国の姿を語っているのではないだろうか、と思うのだ。安倍さんはこの人類普遍の原理を世界各国に先駆けてアピールしていることをどう思っているのだろうか。この原理を別とする安倍さんの政治原理は、どういう理想を描こうとしているのか全く分からない。それとも、憲法第97条の指摘をまださらに体験させていきたいという考えなのだろうか、とすら思う。第97条は次のように言っている。
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」。
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