9月5日の中1男子の自殺をめぐって

昨日14日(金)の午後、札幌市の教育委員会があり、10人以上の一般市民傍聴の中で、9月5日(水)7時12分、札幌市柏丘中1年男子がマンションから飛び降り自殺をした問題の調査報告が行われた。私もこの会議を傍聴した。
また、昨日の夜、札幌自由が丘学園・教育を考える市民の集いがあり、弁護士の内田信也先生は講演の中で、この事件を取り上げた。

委員会で行われた調査報告は、マスコミ各社も報じているのだが、当の中1男子が遺書で「いじめられていて死にたい」と書いているのだが、「いじめは確認できなかった」ということである。どの角度どの側面から調査検討しても「いじめられていた」情報はなかったという。

A君が自殺に至ったことについては(報告書が結論的に記していることを引用する)
「『誰か』ではなく、委員会活動や部活動、勉強との両立等、いくつかの『何か』という要因が複合的に重なり合ったことに心理的負担を感じ、その結果、現実が理想に届かないという思春期特有の不全感が、大きな苦悩として心にのしかかり、彼を取り巻くこういった構造的な『状況』が、これ以上『もう無理だ』、自分は『いじめられている状況だ」と感じさせたのではないか、というものである」。

調査検討委員会は、福井雅秀委員長(道教育大教職大学院教授)と弁護士、児童精神科医師の3人の外部委員と男子生徒の属していた中学校校長、市教委幹部などで構成され、中学校生徒へのアンケート調査その他いろいろな活動をした結果の結論である。

昨日の「市民の集い」で、内田弁護士は「子どものいじめや自殺」問題について、学校や教育行政側の一般的な特徴は、「隠す、隠蔽する、責任逃れ」だと言っていたが、札幌市の場合はそういう特徴の反映であるといえるのか。
報告書を読んだ限りでは、「隠す…」という傾向にあったようには思えない。私たちが直接に調べることはできないし、第三者の言い分で判断するしかないのだが、少なくとも、9月の事件についての理解は調査検討委員会の結論を前提にせざるを得ない。

しかしそうは言っても、A君の遺書にあった「いじめられていて…」の文言が気になる。

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