小林よしのり「反TTP論」

マンガの本を買ったのはここ10年余の記憶にない。書店でふと気づいて立ち読みして買うことになったのが小林よしのり「反TTP論」だった。帰宅して読んでいると、孫から「おじいちゃん、こんな本読んでるの?」と聞かれた。

この作者がいう大東亜戦争論には組みすることはできないが、TTP問題についての指摘には全く同感する。
この本の帯にある小林の言を記しておこう。
「TPPとは逃げ道なき“経済戦争”である。…もともと4つの小国(シンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランド)が2006年に締結した自由貿易協定であるTPP。それを、2010年『5年間で輸出倍増』計画を掲げリーマンショック後の大不況克服を目論むアメリカ・オバマ政権が乗っ取ってから話がおかしくなった。アメリカは、TPPを使って日本の市場と日本人の財産を手中に収めることをターゲットを絞った。…日本がTPPに加入すれば、貧困がさらに拡大するばかりでなく、悪魔の条項『非関税障壁の撤廃』で、日本文化は完全に破壊される-。TPPに賛成するマスコミは1%の富裕層のためにウソを垂れ流すデマ拡声器にすぎない!…いま気づかなければ、日本は亡くなるのだ」

マスコミは(大新聞は)「バスに乗り遅れるな」と書く。しかしこのバスはどこに行こうとするのか。大新聞はTPP参加を叫んでいるが地方紙(道新も)今のところ批判的である。小林はこの傾向がいつまで続くか心配する。

「グローバリズム」「新自由主義」という弱肉強食の経済には、絶対必要な「自己責任」の観念がいかに世の中に浸透してきたかの表れだろう。こう嘆きながら「もう政治家も官僚も頼りにならないなら、国民自身の手でなんとかするしかない」と訴えている。

彼の思想の根本にある右翼的な部分は大いに疑問であるが、今の社会の支配的な動きには激烈に批判するマンガの主張に共感する。小泉純一郎以来の「改革」をいう政治家は続々現れみんな人気者だ、と似顔をほほえませる。
「地域や弱者を守り強欲資本主義から日本を守のは今や共産党しかいないのか?」と嘆く。「TPP賛成派の議員を選挙で落とせばいいのである。」

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