「鎌倉殿」が終わって思う

大河ドラマとしてほぼ一年間ほとんど欠けることなく見たドラマだった。特別に面白かったわけでもないが、日本史上一つの画期的転換点であった(公家の天下から武士の天下へと移る)ことが、どうドラマティックに描かれるかに関心があった。これはセリフではしばしば語られたが、どうだったのだろう?

天皇とか上皇などを歴史の敗北者として描くという点で躊躇があったのではないだろうか。鎌倉時代は、まさに歴史の転換点だ。天皇・貴族たちが天下人だった時代から武士という地方で農業という生産点で一般農民の指導者たちが天皇と貴族を支配者から追い落として新しい社会をつくった時代だった。このあたりをもっと明確に映してほしかったのだが、NHKとしては無理だろう。

来年は家康が主人公。これは上のような歴史の激動をどう画面上に描ききれるか、また新たな興味はあるのだが、信長・秀吉と開いてきた近世社会を仕上げる役割を果たしたという点で、鎌倉殿よりも波瀾万丈味は欠けるのではないか、と想像するのだが。
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