また「時代錯誤」的発言(「教育勅語」を援用した広島市長)

昨年12月19日に、広島市の松井市長は、新規採用職員研修で、戦前の日本臣民(明治憲法下では「国民」は天皇の家来だった)の道徳の原理原則にあたる「教育勅語」の一部を引用して「民主主義的な発想の言葉が並んでいる」、「今後の研修でも使う考えだ」と述べたという。

この中で強調したのは、次の部分だったとのこと。
「爾(なんじ)臣民 父母に孝に 兄弟(けいてい)に 友に 博愛 衆に及ぼし 学を修め 業を習い 知能を啓発し 進んで公益を広め 世務(せいむ)を開き」。

天皇が、お前たち臣民は「親孝行、兄弟仲良く、広く世のため人のために尽くし、しっかり勉強をし、自ら研鑽を励み、日本の発展のために努力しなければならない」と指示している。
そしていったん何かことがおこれば、身を犠牲にするをいとわず国家のために働かなければならない、と指示している。

どこか気に入った部分を恣意的に引用して、昔だってすばらしい精神が広がっているのだ、というのはどうなのだろう?
どこか好きな部分を取り出していうことができれば、どんな為政者だって「いいこと」の一つは二つは言っている。ヒトラーだって、日本の軍国主義の先兵だってそうだ。
だからといってヒトラーや東条英機を評価することはできないだろう。時代錯誤的発言がときどき忘れたころに耳目にはいるのが悲しい。
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