「きわめて遺憾」「毅然として」「近いうちに」

ここ数日国会と国政の上で語られた語句である。いうまでもなく、前二者は韓国大統領がわが国の領土竹島に上陸したことに関する政府の韓国非難の文言であり、後者は消費増税に自民公明を引き込むために民主党がトップ確認し合った解散時期である。

こういう一般的な語句がどうもむなしく聞こえるのはどうしてだろう。「遺憾」という語は「残念だ」という程度の意味である。だから相手への非難でもあるが、自分への心残りであることを告白しているようなニュアンスでもある。もし韓国大統領の行動をきびしく批判・非難するなら「かかる行為はわれわれとしては許すことができない」というような語を使うべきだろう。だが、これをいえば「許せない。だから『こうする』」という当方の反撃行為を準備しなければならない。今の政府にはこういう態度はとれない。

軍事的に竹島を支配するような態度はとれないだろうから、やれることは外交上、大使を引き上げるとか駐日大使を退去させるとか、経済上の交流制限をする、ということになるだろう。経済的制裁など容易ではない。
国際司法裁判所への提訴という手段もあるが、相手が応じなければどうにもならない。国連に多額の支出をしている日本は、国連の機構の改革、例えば紛争を解決するために国際司法裁判所のあり方を改革するなどを諸外国に提起するという道もあるはずだ。

例えば尖閣諸島に中国が、韓国と同じように「自分の領土だ」といってしかるべき立場の者が押し入ってきたら日本はどうするのだろう。

単に竹島や尖閣の問題だけでなく、これらが表している日本の政治的発言力、国際的自主自立の姿勢の権威のなさ、常日頃国際社会において、すなわちアメリカとの関係において「毅然とした態度」をとることができないことに問題があるのだと思う。

「国際社会において名誉ある地位をしめたい」と宣言した日本国憲法の理念は67回目の終戦の日が近づいてもまだ実感を得ていない。これは「近いうち」でなくともよいから、日本の国際政治の基本方向として「対米関係」において「毅然とした態度」をとれるようになりたいものである。

今日、日韓の試合が二つあった。ひとつは男子サッカー、これは完敗した。今ひとつは女子バレー。これは完勝した。後者も負けたら、さすがに日本人もおだやかでないだろう。それにしても、男が負けて女がカタキを討ってくれたという構図だった。一安心したのは私だけでないだろう。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 子ども盆踊り 新篠津でわが... »