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日記 … Kametarou Blog
「フランスの起床ラッパ」(ストラスブール大学の歌)
先日、市立図書館で上記の新書本を借りた。1955年の刊行。だからまさに古い歴史的な本のイメージ。著者はフランスの詩人、ルイ・アラゴン、訳者は大島博光。
青春期に手元に置いていた書の一冊。
青春期に手元に置いていた書の一冊。
アラゴンは第二次大戦中、ドイツ軍に占領されたフランスで、このドイツ・ファシスト軍に徹底抗戦した詩人だった。だから載っている詩は、すべてドイツのファシストと徹底して闘おうという呼びかけである。
この中で最も好きな詩が「ストラスブール大学の歌」。
ドイツ軍は1943年11月、ストラスブール大学の教授、学生たちを銃殺し、数百人を逮捕した。
大学は戦火と弾圧を避けクレルモンの地に疎開した。
その時の悲劇がアラゴンにこの詩を書かせたのだった。
陽の色に輝やくカテドラル
ドイツ人どもに囚われながら
おまえは倦むことなく数える
めぐる季節を 月日を 流れる時を
おお ストラスブールのカテドラル
学生たちは別れを告げて逃れ出た
アルザスの空翔ぶ鵠鶴と
おまえの薔薇形窓の思い出を
いっぱいつめたリュックを肩に
大急ぎで 時を争い
教えるとは 希望を語ること
学ぶとは 誠実を胸にきざむこと
彼らはなおも苦難のなかで
その大学をふたたび開いた
フランスのまんなかクレルモンに
古今の学に通じた教授たち
審判者(さばくもの)の眼差しをもった若者たち
君たちは そのかくれ家で
大洪水の明けの日にそなえた
ふたたびストラスブールへ帰える日に
学問(シイアンス)とは永い永い忍耐(パアシアシス)
だが今 なぜすべてのものが黙っているのか
ナチどもははいりこんできて 殺している
暴力だけが奴らのただ一つの徳だ
殺すことだけが奴らのただ一つの学問(シイアンス)だ
(以下略)
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