内閣不信任? では次は誰?

野党は明日(1日)菅内閣の不信任決議案を衆議院に提出するとのこと。各党の思惑の詳細は知るよしもないが、マスコミの解説によると、菅首相では震災復興対策が国民と住民の期待に応えていない、震災と原発事故への対策にスジがない、こんな内閣では今後とも安心できない、というような理由のようである。不信任の理由は分かる。多くの国民もまた「政府は、特にそのリーダーである菅首相は何をやっているの?」という疑問を感じている。あれだけたくさんの人が困っており、原発事故についても言いしれぬ不安をもっているのに、政策としてはっきりしない。断固たるリーダーシップが見えてこない、という印象は誰もがもっている。

しかし…だ。菅首相をおろして誰を行政のトップリーダーにしようとしているのか、まったくその声は聞こえてこない。最大野党の自民党の党首谷垣さんは「こういうときにこそオレがデビューするのだ」という発言をしているわけでもない。また一番野党らしい共産党は「自公とは立場が異なるが菅内閣を信任できるわけはない」という。だから不信任を叫んでいる野党はどこも「あんたでは信用できないのだよ」とはいうが、じゃあどうするのだ、という質問には全く答えていないではないか。

もっとも決議案が否決されるだろうから「この際カッコをつけよう」というような意味ならその気持ちも分からないでもない。しかしいずれにしてもお粗末というひと言ではないか。

国権の最高機関を構成する議員諸兄姉よ、フツーの国民のもっている疑問に答えて欲しいものだ。
もし自分が国会議員で内閣不信任決議提出に責任をもつ立場であれば、「こういう事情で菅首相ではダメで、これ以上内閣が続けば国民の不幸はいっそう増大する。これにかわってオレが行政権を担う。あれこれの施策を『命を賭して』遂行する」とでも言うだろう。
そうしたら、今の内閣に疑問をもっている人びとは「そうだ、不信任決議を出すのは当然だ」というのではないか。そういう発言はどこからも聞こえない。ただ「ダメですよ」とだだをこねているようにしか見えない。

「スジをとおす」という少々あいまいな言葉がある。野党も与党もスジをとおせ、といいたい。要するに自分たちの政策を誰にも分かる言葉で信念をもって語れ、ということだ。

 

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