日本列島にヒトが来た

高校の日本史の教科書には、「今から3万数千年前」、ナウマン象、野牛などの大型動物とともに、「人類も日本列島に移り住むようになったと考えられる」とある。
この人類の先祖がどうやって日本列島に移り住んだのか、また日本列島のどこが最初の土地だったのか、などは記していない。

台湾から沖縄県与那国島をめざす3万年前の航海を実験する人たちがいた。
「台湾から航行していた丸木舟が9日午前、約45時間かけて目的地の沖縄県・与那国島に到達した。国立科学博物館による『3万年前の航海 徹底再現プロジェクト』がサイトで公表している軌跡などによると、海岸の数百メートル沖をしばらく航行。目的の浜に午前11時48分に到着した」。

台湾から与那国島は見えるという。それにしても、今のような知識や条件が全くないときに、われわれの先祖たちはどういう動機、目的、見通しをもって海を渡ろうとしたのだろう。3万数千年前、中国大陸や台湾は戦争があったとか、食糧がなくなっていたとか、人間が増えて他所に追いやられるとかの状況が生まれてきていたのだろうか。そして与那国島に、幸いにもたどりついてもそこに食糧があるとか、「敵」がいないとか、という見通しだってもてなかったに違いない。

この種の、今の人間には想像もできないようなことを先祖の人たちはやってきたことを思うと、ヒトというのはスゴイものだとしみじみ思う。
他の動物だって、渡り鳥にしても魚類にしても、4つ足動物にしても似た行動をするものもいるのだろう。だからヒトだけでないのかも知れないが、そういうこれからのヒトの「無知への挑戦」的なことを想像したら面白いし、しかしまたいいことだけでなく反対のこともしでかすであろうヒトの未来が空恐ろしくさえなってくる。

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