日本と韓国

日韓の関係がどうも微妙だ。今は主として貿易問題での軋轢のようだが、底は広く深いと思わざるを得ない。この軋轢が、この数日の動きで言えば次第に大きくなっているように思う。

よく考えるべきだ。日韓の関係は、どちらかと言えば日本が加害者的な役割だったと言えるだろう。いわゆる徴用工問題など典型的な例だ。しかもそういう強制労働をしいることの要因は1910(明43)年の「韓国併合」にあった。日本が韓国(この国は今の南北朝鮮全体だ)を植民地として支配することにしたのである。

そもそも日韓関係は、それ以前でも、豊臣秀吉による「文禄・慶長の役」とされる朝鮮出兵(侵攻)があった。さらに遡れば、4世紀末から5世紀初頭に倭軍による百済・新羅を破るといった侵攻があり、7世紀後半に「白村江(はくすきのえ)の戦い」という敗戦ではあったが、激しい戦争をしている。

だから朝鮮の人たちからすれば、日本軍による侵略はこの2千年間の歴史的な悲劇であったといえるのではないか、と思う。

今、日本はややもすれば反韓的な雰囲気を持つ傾向が生まれそうだが、くれぐれも注意すべきだ。韓国人からすれば積年のうらみが底流にあるのだ。「未来志向」というのであれば、日本が未来共存、友好関係のためのイニシアティブをとる必要があるのではないか、と私は思う。

韓国は一番の隣国だ。この70数年間でいえば世界で一番の仲良しであるべきだろう。アメリカは日本の支配者然としておりこれにへこへこしている歴代の日本の宰相たちを考えたとき、もっとも近い、しかも対等な関係として仲良くできるのは韓国だろう。

日本の政治家トップも、我々国民も冷静かつ友好的関係を忘れることなく対応することが絶対に必要ではないか。
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