谷川俊太郎の詩「死んだ男の残したものは」

私の参加している「道新短歌の会」で、今日先生が紹介してくれた谷川俊太郎の詩を紹介しよう。私にとっても非常に懐かしい詩だった。ベトナム戦争の時に発表された詩。反戦の歌だ。ネットを開くと聞くことができる。

死んだ男の残したものは 作詞:谷川俊太郎 作曲:武満 徹

一、死んだ男の残したものは
ひとりの妻とひとりの子ども
他には何も残さなかった
墓石ひとつ残さなかった

二、死んだ女の残したものは
しおれた花とひとりの子ども
他には何も残さなかった
着もの一枚残さなかった

三、死んだ子どもの残したものは
ねじれた脚と乾いた涙
他には何も残さなかった
思い出ひとつ残さなかった

四、死んだ兵士の残したものは
こわれた銃とゆがんだ地球 
他には何も残さなかった
平和ひとつ残さなかった

五、 死んだかれらの残したものは
  生きてるわたし生きてるあなた
  他には誰も残っていない
  他には誰も残っていない

六、死んだ歴史の残したものは
 輝く今日とまた来る明日
他には何も残っていない
  他には何も残っていない

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