来し方、行く末に思いを続けて…
日記 … Kametarou Blog
札幌市のフリースクール支援策
21日の毎日新聞に「記者ノート:フリースクールの実情」という千々部記者が書いた記事がある( http://bit.ly/KFndgV)。
ここに次の記述がある。「札幌市が1団体当たり最高200万円、総額1600万円の助成を決めたのだ。福岡県や福井県も助成はしているが、額は札幌市が全国で最高になる」と。
毎日の4月14日の「新・教育のもり ほっかいどう」で、札幌市のフリースクール支援策について評価しつつも、問題点も指摘していた。
まず支援策の骨子だが、不登校児童生徒を複数サポートしていること、非営利法人立であること、学校との連携・協力関係があること、などであり、補助額は8名以下なら160万円、9名以上なら200万円を上限とする額。
必要職員とカウンセラーの配置、教材教具・実習費補助、施設借上料の4項目を基準とした。
「額は札幌市が全国で最高」「市内の8団体に最高200万円を補助する」(いずれも毎日)とあるが、話はそう単純ではない。
まず札幌市の「補助要綱」によると、「別表」に定める経費としてかなり現実的でない要件をあげている。上の必要職員については、新規職員しか補助の対象にならない。それも職員一人につき年額126万円(6,000円×210日)。また施設借上料についても新規にフリースクールの活動を拡充するという場合に限るとある。新たに拡充する場合には月額5万円を上限とする補助となる。この基準で増やすことのできる職員はパートであり、常勤であれば120万円はあらたに準備し、上乗せが必要になる。
だから、例えばNPO法人のあるフリースクールが職員や施設を現状のままでこれにそって補助を申請した場合は、教材・教具の整備、体験学習・実習費という項目だけが対象となる。この上限は80万円。(教科書や教材の購入、講師謝金、引率者の旅費、施設使用料など。実際には80万円などを企画することにはならないだろう)。
新規に入れる職員は教員免許をもつという条件はなくなったことはフリースクールからすれば前進だが、どうだろう、以上の内容は札幌市長が公約したフリースクール支援策が現実的といえるのだろうか。
« 日食の朝 | 節電の夏 » |