来し方、行く末に思いを続けて…
日記 … Kametarou Blog
明智光秀のこと
来年のNHK大河ドラマはこの人だとのこと。そういうこともあって明智光秀の系統に属するのだそうだが明智憲三郎という人の書いた「本能寺の変 431年目の真実」という文庫本を読んだ。
歴史の常識として、織田信長に仕えていた明智光秀は、信長からの種々の仕打ち(俗に言えば信長からのいじめ)に耐えきれず、ついに堪忍袋の緒を切って、京の本能寺において主君の信長を討ったということだが、「討った」ことは間違いないが、これにいたるプロセスなどは決してそういう単純かつ今日的といっていいような理由ではない。それを戦国諸大名の系譜や権謀術数をときながら展開する。
大河ドラマが楽しみでもあるのだが、明智さんの説明のほんの少しだけ紹介すると、信長は唐入り(朝鮮を討って中国・明に侵攻する)計画を立てていた。諸大名に大陸の各地を分割して与える構想だったという。これを懸念した明智光秀は信長を討つことによってこの大陸侵攻計画をつぶしたという。
その後光秀を倒した秀吉は、信長の意志を継いで朝鮮侵略を二度にわたって行った。しかし秀吉の死後この策は頓挫し徳川幕府の鎖国と近隣諸国との友好関係に進んできた。260年に及ぶ平和国家が実現した。
そういった日本の近世史と重ねてみる視点を提起している。来年の大河が楽しみでもあるのだが、明智光秀という大恩ある主君を殺して自分が天下人になろうとした、といった歴史イメージを再構成する必要を感じた一冊だった。
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