発達障がいのある子どもとのかかわり

昨日(3日)、学園主催のフォーラムを開催。テーマは「発達障がいのある子どもとのかかわり」。前半1時間余、精神科医師の中野育子先生が講演した。
「社会的引きこもり」と目される人の3割がアスペルガー系の人、あるいは文科省が06年に全国の小児科医に対して行ったアンケートでは(5歳児1,000名対象)では8.2~9%が発達障がいをもっている、とされる。
発達障がいとは、心理的発達(成長)に凸凹がある、遅れというより「偏り」という言葉で定義される、と初めに説明された。

7月末以降、「発達障がい」テーマの講演、フォーラムに参加したのは今回で3回目。ただ今回は、一般対象のフォーラムの形をとっていたから、当該の人たちのサポーターよりも、家族や当事者たちが多かったのではないか、と思う。微妙な問題だ。7月末の高知で行われた「不登校等全国ネット」の大会でも、このテーマが大きな位置を占めていたので、種々の発達障がいをもつ人たちへのサポートの基本とか具体的な進め方というハウツー的な勉強になったのだが、当事者または家族の人たちも一緒なら(時間も制約されているので)、なかなかそういう方法論的な議論を深めるということにはならない。これは今後の課題だ。

コミュニケーション力をどう高めるか、がいつも言われる。先日の高校生就職ガイダンスでも生徒たちに「まず好印象を与えることです。挨拶や答え方、笑顔、そこから始まります」という好印象つくりが正否の第一歩であると強調されていた。発達障がいの多くの場合、コミュニケーション力の問題になる。そもそもコミュニケーションとは、「空気を読む」「相手の意図や思いや気持ち」といった非言語的な部分が前提になることが多い。だから、発達障がいをもつ人たちに対しては、この非言語的コミュニケーションは最も難しい分野になる。

こういうテーマを含めて「生きづらい」「働きづらい」環境の中でのいろいろなハンディキャップをもつ人たちが「生きる」ことをどうサポートできるのか、はとりもなおさず自分たちの未来をどう思い描くのかと関係があるはずだ。
どのテーマも一筋縄ではいかない。まさにドジョウのように粘り強く試行錯誤もしながらヒューマニズムの理念だけは堅持していくことになりそうだ。

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