元気になる率100%

私たちのフリースクールは2005年来文科省から「問題行動生徒への対応」に関する実践研究事業の委託を受けている。「問題行動」として取り組んできたのは「不登校」問題である。この事業は、常に外部の有識者からの意見や指摘に耳を貸すことを義務づけられているのだが、このしくみを「運営協議会」と呼んでいる。この会議を今年度はじめてだが開催することができた。メンバー10名であるが、5名の方がたが参加されて、私たちの実践事業の経緯とこれからのテーマ等について意見を寄せてくれた。

短い時間で1年間の実践を説明しきることは不可能であるが、主として「読み聞かせ・紙芝居づくり」と「音楽ライブ」の活動を通して子どもたちが元気をとりもどしていくことを理解してもらえたと思う。ただ、北大のM先生がいうように「この元気をとりもどしていくことを理論的に整理すること」がまだできていないことを自覚する。M先生は「このフリースクールの子どもたちのいわば治癒率100%のキーワードは何だろう」という問をたて、それはかつて北大教育学部をつくった城戸幡太郎先生のいう「表現」になるのではないだろうか、と示唆してくれた。

治癒率というのは一般用語でいえば「元気をとりもどす」ことだろうが、元気になる率100%というM先生の評価をもっと掘り下げたい。私たちの実践の中で常に言ってきたことは、「表現活動」「体験活動」を「今一歩の挑戦の視点からとりくもう」ということだった。このことをもっと人間の成長の意味との関連で、また学校のあるべき姿を問いただす視点から整理していく必要を感じた。

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