平成10(1998)年ころ

日本で音楽CDが最も売れたのは1998年だそうだ。これ以降どんどん売れ行きが減った。音楽を聴かなくなったというのではなく、ネットから入手するようになったというのである。
日本で自殺が3万人を超えるのもこの年ではないだろうか。不登校児童生徒が大きく増えてくるのもこの年である(小学校で0.3%を超え中学生で10万人2%を超える)。
「引きこもり」はこのころはまだ統計はなさそうである。しかし問題になりだしている。

平成10年、1998年を境目にどういう状況が顕著になってきたのか、何か特徴的なことがあったのか。インターネットの普及が飛躍的に拡大したころではないだろうか。ウインドウズというOSが「98」になり、この普及のスピードを一段と高めた。これはインターネットの普及とほぼ同時的な傾向であろう。こういったことが、上のことがらと関係あるのかどうかは分からないが、今、通信販売ということも含めてウチでクリック一つで、あるいははんこ一つで物を買うことができる世の中のしくみが広がっている。

書籍も同じだが、近くブックもパソコン画面で読むことができるようになるらしい。足を使って店に行ってこれがいいあれがいいというような「仕事」が省かれる。物を堆石する必要もなくなったが、足と頭を使って処理するということもなくなりそうで、人間はますます退化するのではないだろうか。
人間的なふれ合いの契機がどんどん減ってきた。

インターネットの発達という事態は人間らしい動きや考えや感情の交流をはぎ取っていく。しかしインターネットの発展を阻止することなどできないし、この有効性はいうまでもない。だから、こういう事態を念頭に置いた上で、人間的な要素をどう維持していくか、が問われてきた。むずかしい世の中だ。
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