JDEC_2010(オルタナティブ教育法案-5)

「オルタナティブ教育法案」の骨子はこれまでに記したとおりである。フリースクール全国ネットワークはこれから約1か月かけて内部討議をし、必要な修正補強をして「フリースクール環境整備推進議員連盟」と議論をしながら一般に問題提起し、正式な法律案として国会審議をめざす。

この法案についての私見は差し控える。もちろん基本的には私たちの取り組んできた教育実践活動の延長上に当然にも展望できるテーマであるとの立場である。私は、これまでにも何度も強調してきたいわゆるマイノリティが大事にされる教育という観点を貫くことが「教育改革」の方向であると思っている。今回のJDEC2010はこのことを確認しえた。

冒頭の尾木直樹さんや寺田学衆議院議員の発言、あるいは記念講演された高岡健さんの話の基調もそうであった。尾木さんが「臨床教育学」の分野でこの不登校や発達障害の子どもたちの教育を考える意味を指摘されていたが、全く同感である。しばしば「臨床教育学者」を自認する研究者も、このテーマを避けていることが情けない。
しかしだからこそ、オルタナティブ教育法は容易ではないのだろう。今の教育学の主流は「オルタナティブ教育」(もうひとつの教育)を認めることすらしないだろう。

そして、当面のテーマ、すなわち「学校設立の自由」、フリースクールへの公的支援、などのシステムをどうつくるか、ということとオルタナティブ教育法制定をめざすことがどういう関係になるか、そしてまたこの法案でいう「認定フリースクール」の基準に当てはまらないフリースクールとの関係、など問題は決して小さくない。

これらのもろもろの内在するテーマを含みながらも、日本の民主的な教育の流れは新しいテーマにチャレンジしていくことになる。

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